■もはや、おつまみじゃないのかも

英国式ブレックファストの準備中

 もつカレーは本来おつまみとして考案されたけど、店からテイクアウトしたものをごはんにかけて食べる人もいるらしく、今ではレトルトカレーの一種としても商品化されている。もはや、おつまみにこだわらず、好きに食べていいのだ。

 そこで僕が思いついたのは、キャンプの朝食としてトーストにのせて食べる方法だ。きっと英国の郷土料理「ビーンズ・オン・トースト」(ベイクドビーンズをトーストにのせた料理)のような見た目になるから、それならいっそのこと、英国式の重厚なブレックファストに仕立てることにした。

 トマトに卵、キノコ、ソーセージ、薄切り食パンを炭火で焼いて、もつカレー缶は湯せんで温めて準備を整えておく。

■民俗学的な興味も出てくる

いろいろのっているけどメインはもつカレーです

 かくのごとく、ボリューミーな朝食ができあがった。

 英国式ブレックファストがボリューミーかつハイカロリーなのは、かつての産業革命時代の労働者が食べたからという説があるが、アウトドアで遊ぶ人間だってけっこう肉体を酷使する。これだけ食べても昼前には消化してくれるだろう。

 もつカレーをのせたトーストは、カレーが染みた部分が柔らかく、そうでない部分はカリカリ。そこに弾力のあるモツが加わるから、食感がとても賑やかだ。新発見だったのは、モツが他の食材と一緒になっても違和感がないこと。内臓臭がなく、カレー味が染みているせいでありましょう。

 さて、清水といえば冷凍マグロの水揚げ量が日本一の港町である。そんな土地柄で、なぜ豚のモツ料理が愛されてきたのだろうか? 

 一説によれば、かつて静岡県では養豚が盛んで、処分された豚の内臓を活用したいという事情があったそう。いや、そうじゃない。港町だからこそ、魚に飽きて、逆に畜肉が好まれているんだという意見もある。

 ひとつの料理から、そんな民俗学的なことまで考察するのも、また一興であります。

 

〈今回の缶詰情報〉

ホテイフーズコーポレーション「もつカレー 60g」