自然の中で楽しむアウトドアは、野生動物への警戒が欠かせない。登山では熊鈴を身につけ、キャンプではゴミを適切に処理するなど、野生動物と遭遇する確率を下げるための対策は数多くある。しかし、どれだけ備えていても、いつ姿を現すかは誰にもわからないのが現実だ。
今回は、筆者が体験したキャンプ場での野生動物にまつわるゾッとするような怖い話を紹介する。
■始まりは誰もいない平日のいつものキャンプ
木々が青々と茂り始める夏のある日、平日に有給を取りキャンプ場へ向かった。人混みが苦手なため「平日であればキャンプ場を独り占めできるかもしれない」といった期待感もあった。
予想は的中し、その日キャンプ場に宿泊するのは自分一人だけ。静寂に包まれた広いキャンプ場を独り占めできると思うと胸が高鳴った。夜になると、空には無数の星が輝き、キャンプ飯と晩酌を楽しんだ。やがて心地よい酔いに包まれ、そのままテントへ入り眠りについた。このときまでは、いつもと変わらない最高のキャンプだった。
●ゴミ捨て場に捨てられた肉塊! 迷惑なキャンパーの仕業!?
小鳥のさえずりで目を覚ますと、爽やかな空が広がっていた。何気なく時計を見ると、時刻はすでに9時を過ぎている。キャンプ場のチェックアウトは10時。連日の仕事の疲れと前夜のお酒で、完全に寝過ごしてしまったのだ。
すぐに撤収作業を開始する。バイクでのソロキャンプだったこともあり片付けは順調に進み、チェックアウトまでは15分ほどを残して撤収を終えた。最後にまとめたゴミを捨てるため、プレハブ小屋のゴミ捨て場へ向かう。ガラッと扉を開けた瞬間、思わず息をのんだ。
見ると、透明なゴミ袋の中に肉塊と臓器のようなものが入っている。一瞬、事件現場を目にしてしまったのではないかと思い、背筋が凍った。「もしかしたら非常識なキャンパーが動物の肉や内臓を捨てていったのかもしれない。けど、待てよ。昨夜、このキャンプ場に宿泊していたのは一人だったはずだな」
不気味な違和感を抱えたまま、そのまま管理人にこのことを伝えるべく管理棟へ向かった。