メキシコの伝統料理「タコス」が人気だ。
タコスの具といえば肉が主流だけど、魚を使った爽やかな「フィッシュタコス」も外せない。魚の缶詰を使えば、加熱調理や下処理が不要なので、すぐにでも食べられる。
今回は、そんなフィッシュタコスの具にぴったりの「缶ごと冷やすとおいしくなるイワシの缶詰」と、その調理例を紹介したい。
■ていねいな血抜きで臭みのないイワシ
今回紹介する「タイム缶詰」は、岩手県陸前高田市で三陸の幸を原料に小規模で製造されている。原料の魚介は洗浄・血抜きをていねいに行っており、臭みがないのが特徴だ。
商品開発もユニークで、この「いわし塩レモン煮缶」もじつに個性的。なんと、“缶ごと冷やすことでよりおいしくなる”ように仕立てられているのだ。
イワシの味付けは、有機レモンと塩のみ。缶汁にトロミをつけるために寒天が入っていて、缶ごと冷やしておくと缶汁がジェリー状になる。
■伝統芸の菊詰め
このイワシの缶詰は、缶詰業界で伝統芸と呼ばれる「菊詰め」という手法で詰められている。身や皮が崩れやすいイワシの切り身を、まるで菊の花のように放射状に詰めているのだ。菊詰めをするにはかなりの経験が必要だそうで、今では技術を受け継ぐ人がすっかり少なくなったという。
おかげで切り身はきれいな形が保たれており、皮もはがれていない。
■盛りつけ方にひと手間
このユニークなイワシ缶をメインの具にしてフィッシュタコスを作るわけだが、イワシの盛りつけ方について、ぜひお伝えしたいことがある。
日本の魚の缶詰は、身を筒切りにしているものが多く、そのまま盛りつけると、いかにも「缶詰を使いました!」という印象になってしまう。これでは美しくない。
そこで提案したいのが、身を骨に沿って半分に切ること。たったこれだけの手間で、盛りつけたときに断然美しくなるのであります。
なにもまな板などにわざわざ身を移して切る必要はない。とくに今回の菊詰めのイワシ缶は、断面が上を向いて缶に詰められているから、真上からナイフやフォークを刺せばきれいに切れるのだ。