「焚き火で温めたらウマいだろうな」と思わせる缶詰が、この世にはある。まあ、外で食べる缶詰は大概おいしいけど、そのなかでも格別に焚き火との相性がいいものを、ぼくは“漢(おとこ)の缶詰”として賞賛している。

 そんな缶詰を独断で選んで勝手にランキングするのが本企画。今回は、その第2弾であります。いったいどんな缶詰がランクインしたのか、乞うご期待!

■品名もデザインも焚き火向け

高木商店の炙りサーモンハラス。ポップなデザインも良し

 まず紹介したいのは高木商店の「炙りサーモンハラス」である。

 品名にある“炙り”という響きが焚き火とマッチするし、サーモン(サケ科)は釣り人が憧れるビッグフィッシュだ。開高健氏の釣り紀行『オーパ!』も連想させ、アウトドア気分を盛り上げてくれるだろう。さらに、ハラスはマグロでいえば大トロにあたる希少部位。焚き火を前にしたぜいたくな時間にふさわしい逸品だ。

 ただ、炙りというわりにはハラスに炙った感が見られない。これはどういうことか?

■秘技! 高木の皮隠し

身をめくると炙った皮が!

 じつは炙っているのは皮側で、身肉側ではない。ではなぜ、炙った皮が見えるように中身を詰めないのか?

 理由は単純で、もし皮を上に向けて詰めると、時間の経過とともに皮がフタの裏側に貼りつきやすくなり、引き上げたときに皮と身肉がはがれてしまうからだ。そんな残念な事態を回避するために編み出されたのが、この“秘技・高木の皮隠し”なのであります。

■旨味たっぷりの缶汁は捨てるべからず

旬の野菜と一緒に煮る

 この缶詰には、ハラスから出た脂分が溶け出した缶汁が約50ml入っている。サーモンの濃厚な旨味が含まれている汁なので、捨てずに旬の野菜などを加えて煮ることをオススメしたい。ニンニクと唐辛子を加えればアヒージョ風、みそとバターを加えればチャンチャン焼き風になる。もちろん、単純に温めるだけでも、脂がのったハラスはとろとろ食感で風味絶佳だ。