個人的には完全栄養食だと思っているブラジルの国民食がある。「フェジョアーダ」という名前で、豆、肉、野菜類を合わせて煮込み、ごはんにぶっかけて食べる豪快な料理だ。
健康に必要な5大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル)が一度に摂れるし、豆には第6の栄養素と呼ばれる食物繊維も含まれている。我が家ではよく食べている料理だけど、ある時ふと「山ごはんにしても優秀なのでは?」と思いついた。
早速、持ち運びやすい食材を選んで山で実食。果たしてどうなるか?
◼️フェジョアーダを山ごはんにするための材料

フェジョアーダの主な具材は「黒インゲン豆」と「牛肉」もしくは「豚肉」、それに「ソーセージ」。なので、これらはすべて缶詰で代替できる。肉類は本来、生肉から調理した方がおいしいけど、缶詰なら常温のままで持ち運べる利点がある。暑い時期でも、食中毒の心配が減らせるのだ。また、米は調理時間の短縮と軽量化を図るためにアルファ化米をチョイスした。
使う材料(1人分)を並べてみよう。左から、アルファ化米(0.5合)とローリエ2枚、ニンニク1片、小玉ねぎ1個。調味料として塩&黒コショウと植物油。缶詰はウインナーソーセージにコンビーフ、黒インゲン豆がそれぞれ1缶ずつ。なお、黒インゲン豆は425g入っている大容量缶なので、実際に使う量はその4分の1程度になる。
この他に、水を300ml程度用意した。アルファ化米を戻す分と、材料を煮る時に必要な分であります。
◼️火力を変えずにクッカーの温度を下げるには?

最初にアルファ化米をお湯で戻しておいてから、フェジョアーダに取りかかる。まずニンニクとタマネギをスライスし、植物油大さじ1をひいたクッカーで炒める。植物油はオリーブ油を使うと香りがいいのでオススメである。弱火で加熱して、玉ねぎが透き通ってきたら一度火を止める。
アウトドア用のバーナーは、微妙な火力調整がしにくいものが多く、とくに「とろ火」と呼ばれる弱火の状態を維持するのが難しい。もしクッカーが熱くなりすぎた時は、火力を変えずにクッカー自体を持ち上げ、いったん鍋底を火から遠ざけて温度を下げるテクニックが有効であります。