日本では馴染みが薄いが、欧米ではツナ缶と並ぶほどメジャーなのが「ベイクドビーンズ」の缶詰。

 白インゲン豆をトマトベースのソースで煮たもので、料理の付け合わせにしたり、トーストにのせたりと、朝夕を問わず食べられている。最大の消費国はイギリスで、なんと1日に約200万缶が売れるという。日本でもっとも売れている「シーチキン」でも、1日の平均販売数は約82万缶だから、消費量はまさに桁違いだ。

■リュックに入れても苦にならない

片手で握れるサイズ。缶を含めた重量は実測163g

 ベイクドビーンズ缶の最大手「ハインツ」の商品は、日本にも輸入されている。かつては内容量415gの大きなサイズばかりだったが(トマト缶と同じサイズ)、近年は内容量130gという最小サイズのものが出回り始めた。片手で握れるほど小さく、缶と中身を合わせた総重量は163g(実測)と比較的軽い。

 じつは一度、ベイクドビーンズ缶を使った英国風「フル・ブレックファスト」というやつを山で作ってみたかったので、このサイズで出てきたのは嬉しかった。

■ぼんやりした味が魅力?

トマトソースはほんのり甘い

 ここであらためて、ベイクドビーンズ缶がどんな味なのか明記しておきたい。端的に申せば、じつにぼんやりした味なのだ。

 トマトソースには砂糖と塩が入っており、全体的にほんのりと甘い。ほかにはわずかな酸味と、わずかなスパイシーさが感じられる。トマトの旨味があるといえばあるけど、トマト缶を煮詰めたような濃厚さはない。

 こう書くと、とてもおいしそうに思えないかもしれないけど、じつはその“ぼんやりした味”こそベイクドビーンズの魅力なのだ。刺激が少ない分、毎日食べても飽きがこないのであります。

■常温でもガンガン使える

缶から直食いもアリ

 ベイクドビーンズ缶は、基本的には鍋に開けて温めることが推奨されている。でもハインツのサイトを見ると、同じくらいの熱量で推しているのが「開けてそのまま」食べるやり方だ。

 器に開けてそのまま食べたり、パンケーキやトーストにのせたり、タコスの具にしたりと、常温使いもガンガン推している。とくにこの130g缶なら、登山中の小休止に缶から直食いができそうである。まあ、お行儀はすごく悪いですが。