登山やキャンプもいいけれど、もっと気軽にアウトドアを楽しむのならピクニックがおすすめであります。公園や海岸をのんびりとウォーキングして、草木を眺めるだけでも幸せ指数が右上がり。景色の良い場所を見つけたらシートを広げて弁当を頬張る。状況によってはアルコールをいただいてもいいかもしれない。

パンやおむすびに缶詰を加えてランチを楽しむ

 弁当はピクニックの楽しみの1つだけど、あまり凝ったものを作ろうとすると、準備だけでしんどくなる。逆にミニマルな弁当なら、思い立った時にすぐ出かけられる。パンやおむすびと缶詰を持っていくだけでも、意外と立派なランチになるのだ。

 そこで今回は、特にピクニックに向いている缶詰を3つ紹介したい。選んだポイントは……

 汁気が少ない(後片付けが楽)
 常温でも美味しい
 おかずにもおつまみにも使える

 以上の3つであります! 

■高校生が作った宇宙日本食サバ缶

福井物産「若狭宇宙鯖缶」

 まずは話題性抜群の「若狭宇宙鯖缶」からご紹介。品名に「宇宙」と付いているのは、このサバ缶が宇宙日本食「サバ醤油味付け缶詰」の市販バージョンだからであります。

 サバ醤油味付け缶詰は、福井県立若狭高校の生徒たちが「実習で作っているサバ缶を宇宙食に認定してもらおう!」と、14年もの歳月を掛けて開発したもの。2018年に宇宙日本食に認定され、20年には国際宇宙ステーション(ISS)で、野口聡一宇宙飛行士が実食して話題になった(その様子はYouTubeで配信された)。

 高校生が作った缶詰が宇宙食になったのは世界初の快挙で、その功績をより多くの人に知ってもらおうと市販化が決定。地元の缶詰メーカーに製造を依頼し、元の味を忠実に再現して、今年3月8日に発売した。

■とろみ付きで、おむすびのおかずにぴったり

缶汁のとろみがピクニック向き

 で、なぜ若狭宇宙鯖缶がピクニックに向くかというと、缶汁にとろみが付いているから。身と一緒に食べていけば、最後は汁気がほとんど残らないため、後片付けが楽なのだ。

 ISSの無重力環境では、液体は落ちることなく飛散する。それを防ぐためにとろみが付けられたのだが、その工夫がアウトドアでも役立つのだから面白い。

 味付けは砂糖しょう油味で、一般のサバ缶よりも甘塩っぱい。無重力環境では味覚が鈍るので、地上で食べる時よりも濃い味にする必要があるのだ。とはいえクドさはまったくなくて、普通に美味しい。おむすびを食べる時のおかずにぴったりであります。