今年3月に発売されたアルファー食品の「孤高のキャンプ飯」をご存じだろうか?  アウトドア向けに開発された新しいアルファ化米で、従来のアルファ化米とは異なる点の多い製品である。

 従来のアルファ化米は、災害食として開発されているものが多い。パッケージはアルミとフィルムの複合材でバリアー性が高く、脱酸素剤も同封してあるから長期保存できる。開封部にはジッパーが付いていて、熱湯(あるいは水)を注いだ状態で密封可能。立てて置ける立体形状だったり、スプーンが同封されているのは、被災時に食器がなくても食べやすいようにという配慮からだ。

 孤高のキャンプ飯は、それらの工夫のいくつかを思い切ってオミットしてあるのが特徴だ。また食味を良くするため、従来のアルファ化米よりも生米に近い状態で仕上げているという。おかげで不便になった部分があるけれど、逆に使いやすくなった部分があり、じつに興味深いのであります。

■柔らかなフィルムなのでスタッキングしやすい

スタッキングの例

 真っ先に目を引くのはパッケージで、従来の頑丈な素材と異なり、薄く柔らかいフィルムが使われている。その分、バリアー性が下がって賞味期間が1年になっているけど(従来品は3〜5年)、常温で保存できる点は変わらない。

 容量は従来品の100gに対して 70g(0.5合)と小容量。中に入っているのはアルファ化米のみで、スプーンや脱酸素剤は入っていない。なのでパッケージごと丸めたり折ったりすれば、さらにコンパクトになって収納しやすい。パッケージ自体の重量も軽く、わずか3gである。まあアルファー食品の既存品「安心米」のパッケージも8gと軽かったけど、少しでも軽量化したいミニマリストにはたまらないごほうびである(僕も含む)。