料理名に“丸”がつくと無性に嬉しくなる。

 トリの丸焼きとか、タケノコの丸焼きとか、新タマネギの丸煮……。刻んだり小分けにしたりという小細工は一切ナシ。自分がなにを食べているのか、一目瞭然なところが良い。

 なんと、そんな“丸ごと料理”を再現した缶詰が存在する。キャンプなどで、「あと1品、なにか欲しいな」という時におすすめであります。

■手ごね成形のハンバーグが丸ごと!

ハンバーグが丸ごと入った「LOVE CANハンバーグ」

 この可愛いデザインの缶詰は、「LOVE CANハンバーグ」という。もともとは、災害備蓄食として開発されたもの。備蓄するだけでなく、大切な人へ「いざという時のために備えてください」と贈れるようにデザインされている。だから、品名に愛(LOVE)が付いているわけだ。

 なかには福島県白河市で育てられている三元交配豚「白河高原清流豚」を使った手ごねハンバーグが丸ごとひとつ、どーんと入っております。

■プラスというよりメインかも

一緒に入ったマッシュルームは山形県産だ

 ハンバーグの表面はゴツゴツしていて、見た目だけでも粗挽き肉から作られているのがわかる。ガブリとかじれば、肉の粒ひとつひとつから旨味があふれてくるし、豚肉特有の臭みがない。ハンバーグの缶詰はいくつか発売されているけど、肉の香りの良さではこれがピカイチだ。

 ソースは酸味と甘味がしっかりしたメリハリのある味で、隠し味に加えられた八丁味噌のコクも感じられる。一緒に入っている山形県産のマッシュルームは、シャクシャクという歯ざわりがきちんと味わえてちゃんとウマい。白ごはんが進む味なので、もはや“プラス1品”というより、メインのおかずであります。

■知る人ぞ知るご当地料理・カキオコ

中磯のカキオコ缶。おたふくソース付き

 お次の丸ごと缶詰は、「中磯のカキオコ缶」である。

 カキオコとは、カキの入ったお好み焼きのこと。岡山県備前市の日生町で昭和40年代から食べられている、ご当地料理だ。2002年になって、そのおいしさに感動した有志団体・日生カキお好み焼き研究会が、料理名を「カキオコ」と命名した。

 語呂が良いし、一度聞いたら忘れられないネーミングだと思う。

■サイズは小さいが2枚入り

缶の形そのままの丸いカキオコ、2枚入り!

 缶の中には、丸いカキオコがぴったりと収まっている。直径が7cm弱の缶なので、「お好み焼きとしてはちょっと小さいんでないの?」と文句を言いたくなるが、ご安心ください。2枚入っているのだ。

 中身をなるべく崩さないように取り出して、添付されたオタフクソースをかければ“缶成”である。日生町では、紅ショウガやアオサなどをトッピングして食べるらしい。せっかくなので、それらも用意して本場風に味わうことにする。

■どこを食べてもカキの味

サイズが小さくてもボリューム満点

 かくのごとし。

 手前に見えているのは、生地からこぼれたカキの一粒であります。カキの量が想像していたよりもずっと多くて、カキ入りお好み焼きというより、“カキ焼きを小麦粉でまとめたもの”といった風情だ。おかげで生地の隅々までカキのエキスが染み渡っており、どこを食べても良い味がする。カキ好きにはたまらないだろう。

 カキオコの起こりは、カキの生産者が、小振りだったり、傷が付いたりしたカキをお好み焼き店に持ち込んだことから始まったそうな。生産地ならではの、ぜいたくな話だなァ。