■美白イワナたちに魅了される
やがて谷が狭まり、森の密度が一段濃くなったような気がしました。
ここまで来ると、一気に魚たちの警戒レベルも下がったようで、各ポイントからためらうことなく魚体が飛び出してきました。釣り人がそれほど頻繁には訪れないということでしょうか。
川床の白さに呼応するかのような色白のイワナたち。本当にイワナの概念を覆すような、水に溶け込むような魚体は、透明感がありつつも金属光沢を思わせるような輝きもあります。べっこう色のヒレや体側に散りばめられた朱点とのコントラストが印象深く、神秘的なものを感じてしまいます。
奥に進むほど魚影が濃く、サイズも上がっていくので楽しいですが、山深い渓ですので引き際が肝心。後ろ髪を引かれつつ、渓を下り始めました。今度来るときは、より奥の流れまでたどり着きたいものです。