全国いたるところで渓流釣りが解禁している。けれど山間部、標高の高いところはまだ雪が残り、釣りをするのにもひと苦労だ。残雪によるリスクも高い。そんな中ありがたいのが、各地の漁協が管理する「キャッチ&リリース区間」の存在だ。

 そういった場所は、比較的アクセスしやすく足元もいいところが多い。なかには温泉地にあるところも!「気持ちよく釣りを楽しんで温泉に浸かる」さらにその土地の名物グルメに舌鼓を打つおまけ付き! これ以上の幸せがあるだろうか。

■「川治温泉」の中心で釣りをする!

川治温泉の中心を滔滔と流れる男鹿川

 栃木県北西部、「川治温泉」は鬼怒川と男鹿川が合流する峡谷に開けた温泉郷だ。中心を流れる男鹿川沿いは、遊歩道もあって河原に降りやすい。そこに「おじか・きぬ漁協」が管轄する「川治温泉キャッチ&リリース区間」がある。

おじか・きぬ漁業協同組合:http://ojikakinu.web.fc2.com

 まずは橋や土手の上から流れを観察すると、悠々と泳ぐマスの姿を確認できた。放流から2週間ほど経っているのでスレてはいるだろうが、魚影をみるとテンションが上がる。

歩道から覗くと魚影も見える。大きいニジマスは見つけやすい

 釣りを始めると、さっそく大きめのニジマスがかかった。が、手元に寄せたところで痛恨のフックアウト……。その後、散発的なライズも消えたので、場所を変えた。今度は緩めの流れの芯で何度かヤマメ(たぶん)がアタックしてきたが、鉤(はり)にかからない。

 今回は釣り以外の楽しみがあるので、早くいい魚を釣って楽になりたい……。ちなみに楽しみのひとつは温泉! さらに……。

■地元グルメの有名店! 「坂文精肉店」のコロッケとメンチカツ

 いつもなら、用意している昼食を食べるのも忘れて釣りに没頭してしまうのが常なのだが、この日は違った。昼前から「コロッケ、メンチ、コロッケ……」念仏のように唱えながらロッドを振り、川から上がって徒歩で立ち寄ったのが「坂文(さかぶん)精肉店」だ。

坂文精肉店。店頭のショーケースには人気の揚げ物がずらりと並ぶ
坂文精肉店の人気商品キャベツメンチ(税込140円)。揚げたてだ

 歴史あるお肉屋さんなのだが、その場で食べられる揚げたてのコロッケやメンチカツなどが大人気だ。美味しさと店主の人柄で有名な地元グルメの名店だ。温泉街の一角、川のそばなので釣りの途中にも立ち寄りやすい。

休憩にも最適! 川治ふれあい公園

 揚げたてのコロッケとメンチカツを店のすぐそばにある「川治ふれあい公園」でいただく。味はもちろん、ほくほくの具にキャベツの食感が爽やかなコントラスト! 紙袋には油が滲み出るほどなのに、油っぽさがまったく気にならない。