10月も後半に入り秋本番、標高の高い山や高原では紅葉が見頃になっていますね。この季節は本州のほとんどの自然河川での釣り、いわゆる“渓流釣り”は禁漁になってしまっていますが、一部の河川や管理されたエリアではまだトラウトフィッシングを楽しむことができる場所があります。
そんな中で、美しい紅葉を愛でながら開放的な高原の湖で大物釣りを楽しめる、長野県佐久穂町の「八千穂レイク」へ行ってきました。
■“映える”ロケーション! 美しいニジマスたちが泳ぐ
「八千穂レイク」は長野県東部、佐久穂町にある人造湖です。北八ヶ岳東側の裾野、標高1,500mの高原にあり、ルアーやフライフィシングのためのキャッチアンドリリースの管理釣り場となっています。
緑美しい高原にある八千穂レイクは紅葉の時期も美しく、景色の一部となってラインを伸ばすだけでも楽しい場所です。天気が良く風がない日には、周囲の緑を水面に映しこんで爽やかな絶景が広がる。“映える”ロケーションとしてSNSでも人気のスポットです。
放流されている魚はニジマス(レインボートラウト)です。公式サイトでニジマスは40〜60cmと謳っていますが、魅力はサイズだけではありません。麓の養魚場育ちのニジマスは魚体も美しく、整った天然モノと見間違うくらいの魚もいます。
魚たちは筋肉質で、当然強烈なファイトをしてくれます。激しくジャンプしたり、水中に引き込まれそうなほど走ったりとスリリングなやり取りとなります。周囲の自然河川が禁漁となった後でも営業しているのもありがたいですね。
八千穂レイク管理釣り場:https://yachiho-kogen.jp/article/reiku-enjoy/
■ドキドキ・ハラハラ! ビッグレインボーとの駆け引き
今回の取材当日は、午前中に「白駒池」や「高見石」を訪ね、周辺で紅葉トレッキングをした後、午後から八千穂レイクで釣りをしました。
ときおり日が差すものの、雲が多めの空模様で風も吹いていました。楽しみにしていた紅葉のリフレクションは、林の風裏になるような場所で見られる程度だったのが残念ですが、釣果を望むならむしろ好条件だと意気込みます。
釣り人は数人のみで桟橋(釣り用)もいくつか空いていました。ライズの様子をしばらく観察してから、さざなみ立つ水面に小さな(#19〜21程度)ドライフライを浮かべると、さっそく魚が啄むようにフライを持っていきました。すかさず合わせると、凄まじい勢いで沖に向かって走っていきます。ティペット(ハリス)は極細のため、無理なやり取りはできません。あっという間に50m以上疾走され、バッキングライン(下巻き糸)まで出されてしまいました。そして、テンションが足りずにフックオフ……。
さらに同じことをもう一度繰り返してしまったので、今度はウェットフライで“ひっぱり”の釣りを試してみました。こちらはたまにアタリがあるものの、おそらく偽物だと見抜かれているのでしょう。うまくフッキングしてくれません。そこでマーカー(目印)を付けてルースニングです。マーカーがスッと沈んだタイミングで合わせると力強い手ごたえ、ドライフライの時より太いティペットを使用しているので安心してやり取りできます。何度も走られつつ、じわじわと手元に寄せてタイミングを見計らって無事にネットイン。重量感のある立派なニジマスがランディングネットの中から恨めしそうにコチラを睨んでいました。
一本釣ってホッとしていると、チャンスタイムがやってきました。スタッフの方が魚たちに餌を与えに回ってきました。バケツからペレットをばら撒くと「こんなにいたのか!」と思うほど、魚たちが水面から湧き上がります。まるで鯉のよう? どさくさに紛れて、僕のフライにもヒット! しかし、スレ(口以外に鉤が掛かること)だったのか、あっという間にハリが外れてしまいました。