3月に入り信州でも春めいた日も増えてきましたが、地方によってはまだまだ寒い日も続きますね。そんな中、筆者の住む長野県内では渓流釣りの解禁が続いています。管轄する漁協によって遊漁期間は異なりますが、これから春に向けてどんどんと解禁する河川が増えていきます。一年中釣りができる一部の本流(キャッチ&リリース区間有り)や冬季ニジマス釣り場などもありますが、イワナやヤマメを始めとする渓流魚(トラウト)を狙う釣り人にとっては、待望のシーズンインです。
長野県の山間の支流、渓流のほとんどは雪に覆われています。そのため、釣りのフィールドとしては平地を流れる本流がメインになるのがこの時期。人気河川の解禁当日は、期待に胸を膨らませた太公望たちが連なる様子も見られました。
■解禁初日(2月16日)は天竜川本流へ
県内で最初の解禁日2月16日は、少しでも暖かい場所で釣りをしようと思い、南信・「天竜川」へ。東を南アルプス、西は中央アルプスに挟まれた伊那谷を流れ、静岡県で太平洋に注ぎ込む長大な川です。“信州の海”「諏訪湖」に端を発した流れは、数多の支流から清冽な水を集めます。上流部の本流には漁協によるトラウトの放流がありません。魚影は濃くはないですが、その分野性味に溢れたトラウトたちが釣り人を魅了し続けています。
解禁当日は朝から気持ちよく晴れ渡り、天気こそ上々でしたが、朝はかなりの冷え込みでした。午前5時の気温は-7.6℃、水温は1.9℃で、いかに冷水性のトラウトたちといえども活性が鈍いのが予想されます。この時期、1日中水に浸かりながら釣りを続けても一匹も魚の顔を見ることができない日もあります。それでも「解禁日ならきっと!」と願いを込めて竿を出します。
分厚いネオプレーン素材のウェーダーを履いていても、立ちこんでいるとじわじわと冷たい水が体温を奪い、足の感覚もおぼろになっていきます。2〜3度フライを流すとフライラインとガイドがカチカチに凍ってしまうタフなコンディションでした。
■タフなコンディション! 他の釣り人はどうだった?
竿を使う釣りの種類は、エサ釣りやルアー、フライフィッシングと様々ですが、解禁当日はフライフィッシャーの割合が非常に高かったです。ちなみに筆者もフライで臨みました。午前中に一度鈍いアタリがあって40cmほどの魚がかかったのですが、ジャンプと同時にハリが外れて流れに消えていきました……。
それっきり魚信はなく、魚の顔を見ることは叶いませんでしたが、風光明媚な天竜川沿いを北に南に移動しながらの1日。「次のひと流しで!」祈るような気持ちでフライを流しつつ、ワクワクする気持ちでいっぱいでした。
釣りを終えた後、伊那のプロショップ「アングラーズパラダイス」に立ち寄ってみました。他の人の釣果が気になったからですが、常連さんから送られてきた素晴らしい魚たち写真を見せていただきました。見たかったような、見たくなかったような(笑) 筆者自身は残念な結果でしたが、また来る口実ができたということで。釣り人は楽観的です。