10月に入ると本州の自然河川の釣りは軒並み禁漁となる。一抹の寂しさを覚えながら、まだ釣り可能な北海道や管理釣り場などで、思い思いに釣り欲を解消する釣り人もいるだろう。最近は漁協などの尽力により、釣り可能な河川が増えてきている。
長野県北部、松本〜長野を結ぶ国道19号線沿いの山間部を流れる犀川は、そういった人気河川のひとつ。犀川殖産漁協が管轄するエリアは、本流に限り「周年釣り可能!」なこと、さらに強い流れに鍛えられた「大型トラウトに出会える!」ことで、秋〜冬にかけて近隣、ときに遠方より多くの釣り人がやってくる。(エサ、ルアー、フライ)道具の違いに関係なく賑わう、“アツい”河川となる。10月〜来春の(一般河川)解禁まで、これが犀川のセカンドシーズンだ!
水量・水質、水温的にも魚たちの活性もよく、秋が一番釣果を出しやすいのではないだろうか。(自宅から犀川の最短ポイントまで自転車で15分の距離に住む)ローカルアングラーである筆者が、最新情報をお伝えしたい。釣行の参考になれば幸いである。
■「周年釣り可能!」犀川殖産エリアの本流釣り
梓川、穂高川などの山岳エリアからの清冽な流れが松本市郊外、安曇野で合流して犀川となる。長野市の市街地で千曲川と合流し、新潟県に入ると信濃川と名を変える日本一長い川である。
犀川本流の「平ダム」下流より、「落合橋」上流付近までの「犀川殖産漁協」エリアは、キャッチアンドリリース区間も設けられ、周年(一年中)釣りをすることが可能だ。本流であればニジマスは年間を通して狙うことができる。
主要幹線である国道19号線沿いの好アクセスでありながら、山間部の風光明媚な景色のなかで思う存分ロッドを振れる快感。大型トラウトの強烈な引きと、美しい魚体で釣り人たちを魅了している。
【マップ】犀川殖産漁協
■モンスター級のトラウトたちが待っている!
訪れる釣り人たちが狙うのは、山間部の強い水流で鍛えられたトラウトたちだ。漁協により年に数回、50cm前後の大型のニジマス(産業管理外来種)が放流されている。自然繁殖した犀川育ちのニジマスも美しく、よく走る。
さらに上流の梓川より流れてきたブラウントラウトも人気だ。40cm台は珍しくなく、60~70cmクラスも十分期待できる。その強烈な引きのパワーと野性味あふれる魚体に魅せられて、遠方より足を運ぶ釣り人も多い。
本来はヤマメとイワナが主だったのだが、最近は滅多にお目にかかれない。トラウト以外の大型魚としてニゴイも稀にかかるが、ヒレの発達した筋肉質な魚体の引きは凄まじい(たいてい、すぐに大人しくなるが)。
■攻略するにはポイントが要!
釣果を出すにはポイントが重要なのは言うまでもない。まずは道の駅 「長野市大岡特産センター」 https://www.michi-no-eki.jp/stations/views/19172を中心とした、キャッチアンドリリース区間を覚えるのが有望だ。道の駅上流の放流ポイントである「さざなみ」裏や、逆に道の駅下流の「さぎり荘」裏あたりを探ってみるといいだろう。
駐車スペースも有力なポイントには必ずある。漁協のノボリを目印に探してみよう。人気なだけに釣り人も多いが、魚影も濃いのでチャンスは多いだろう。
地名などは土地勘がないと分かりにくいが、各橋をランドマークにするといいだろう。犀川殖産管内の最上流エリアの橋は「大八橋」だ。本流を渡渉できる場所はない。右岸、左岸の地形や流れの違いによって釣り自体がまったく変わる。魚がうわずっていれば、橋上から魚影を観察することもできる。
キャッチアンドリリース区間より下流でもトラウトたちが生息・繁殖しており、釣果を望める。さらにダムをいくつか下った長野市街地近辺にも放流ポイントと有力ポイントがあるので、徐々に探っていくのも楽しみだ。
※下流部はダムが連続するために、降雨以外の理由でも水量、濁りが変化するので要注意。