8月も終わろうとしていますが、依然として猛暑が続いていますね。
冷水性の渓流魚たちを狙うには標高が高い川がいいのですが、渇水も気になるところ。地形図をひたすら見つめていると、御嶽山周辺に目が留まりました。ひと足遅い夏休みのつもりで3日間の釣り旅へ出かけました。
■峠を越えて飛騨の渓へ
8月も残すところわずか。盛夏の渓流釣りの最盛期です。山岳県、長野県に住む筆者ですが、猛暑と少雨で(アプローチがいい場所は)コンディションがいいところが少ないです。そこでお隣である岐阜県、飛騨地方へフライフィッシングに行ってきました。狙いは、標高3,067m(剣ヶ峰)の御嶽山の北西方面、高山盆地へ向かって流れいく木曽川水系・飛騨川(益田川)の本・支流です。
それほど遠い場所ではないのに、なぜか飛騨川一帯で釣りをしたことがありませんでした。という訳で土地勘もまるでないのですが、地形図に表される等高線はもつれそうで、各渓の流程は複雑です。机上だけでは、今ひとつ釣りどころがつかめません。まず初日は「野麦峠」から西へ下り、釣りをせずにひたすら目ぼしい川を探っていきました。この一帯は車道が峠越えをしている箇所がいくつもあるくらいで、沢の源頭部を手軽に覗き見ることができます。高低差がかなりあるところも多いですが、それでも流れの雰囲気はチェックできるのでありがたいです。
蒸し暑く、緑濃き渓に滔々と流れる水を見ていると、つい竿を出したくなりますが、そこは我慢です。翌日以降に効率よくいい釣りをするために観察は大事なプロセス。頭の中で釣りのプランを組み立てているとワクワクします。
■苦労して釣り上げた一匹のアマゴ
2日目、張り切って釣りを開始しました。前日に感じたのですが、長野県と同じV字の渓谷でもこちらの山肌はどこか肉付きがいいような印象です。水は少ないですが、大場所も連続しており期待が高まります。ですが、行けども肝心の魚たちは一向に姿を見せてくれません。ときおり本当に小さな影が足元を走るくらい…… 期待が大きかっただけにしょんぼりした気持ちでこの川を後にしました。
続いて、次に有望そうだった川へ転進です。こちらは車道に沿って流れているのですが、高いコンクリートの護岸によって入る場所が限られます。たまに魚が飛び出してくるのですが、なかなかフッキングには至りません。そこでティペット(ハリス)を7X(0.4号程度)に落としたところ、途端に反応が良くなりました。
ようやく手元に収めることができたのは、麗しいプロポーションのアマゴです。苦戦して釣り上げただけによけいに美しく見えます。心なしか、魚体がほんのり秋色に染まってきているようでした。