いよいよ渓流釣りシーズンも残り数日となったある日。フィナーレを飾るにふさわしい魚との出会いを求めて、奥只見エリアに足を運びました。そぼ降る雨の下、果たして釣果はいかに……。
■シーズン終盤! 奥只見エリアは超人気
新潟県と福島県の県境に位置する山奥の人造湖「銀山湖(奥只見湖)」。標高約750m、環境的にも冷水性のトラウト(マス)類の生息に適しています。かの開高健の著書で記されたことでも有名で「河は眠らない」の文学碑も建っています。広い湖で大きく育ったトラウトと数々の支流は、太公望たちに人気のエリアです。
お世話になった宿のご主人によると、久々のまとまった先日の雨の後は、かなりの数の釣り人が訪れたようです。
■チャンスを呼ぶ優しい雨
数日間晴れが続いた後、ゆっくりと天気が崩れ出しました。前回の雨ではまだまだ足りず、周囲の沢は相変わらずの渇水状態です。幸いにも今回の雨はそれほど強くなく、降ったり止んだりを繰り返しています。普段なら気が重い雨の中の釣りですが、むしろ釣りのチャンスになりそうだと期待が高まります。
銀山湖へと注ぐとある渓へ。2時間ほど歩いてから入渓しました。この日は釣り人も少なめです。
雨足が弱まった時によく見ると、浅い流れの中に定位してゆらめく魚影が確認できます。渇水の中、連日叩かれているせいでしょうか、山奥のイワナとはいえども神経質な様子です。完全に雨が止んでしまうと、フライを見切ってUターンしていきます。雨が優しく水面を叩いているくらいのタイミングで流すと、疑いもせずパクリとフライを咥えてくれました。