桂川といえば、一般的には京都を流れる川を思い浮かべる人が多いかもしれない。けれど(とくに関東甲信越の)釣り人にとっては、山梨県を流れる桂川が一番に出てくるだろう。漁協の放流活動による魚影の濃さと大物への期待から大人気の川だ。常にプレッシャーを受け続ける魚たちはスレがちだが、雨の日なら警戒が薄れて釣りやすいかも? そう思って釣りに出かけてみた。
■ビギナーからエキスパートまで! 釣り人に人気の桂川
山梨県富士吉田市から西桂町、都留市、大月市、上野原市を流れる桂川は、富士山の豊富な湧水のおかげで、水温・水質も比較的安定しており、水生昆虫たちも豊富な川だ。管轄する都留漁協は定期的に放流しており魚影の濃さには定評がある。その中には「キロ鱒」と呼ばれる大物も混ざっており魅力的だ。
さらに6月からはアユ釣りも解禁となっている。首都圏から近く、アプローチも容易なポイントが多いことから太公望たちから大人気だ。
「桂川公園」付近は住宅地を流れる里川で、護岸された箇所が多く趣に欠けるが、魚種・魚影ともに豊富で楽しめる。下流に下ると(通常とは逆に)野趣溢れる深い渓谷となっている箇所が多く、釣り場のバリエーションに富んでいる。
■雨の日こそ狙い目!?
6月に入り季節は初夏だ。気温、水温ともに高くなっていく。梅雨とはいえ、晴れや曇りの日には、冷水性のトラウトたちには過酷なコンディションだ。当然日中はなかなか釣れなくなってくる。
そのため、とくに標高の低いエリアでは、むしろ雨の日が釣りにちょうどいいくらいかもしれない。降水量が1mmくらいまで、細く降る雨ならウェーダーの上に防水性の高いフィッシングジャケットを羽織れば、雨も苦にならないのでは? 里川などは農業用の取水もされる川が多いので、適度な降水は歓迎するべきかもしれない。
優しく撫でるようなそぼ降る雨。水面は無数の水紋に揺らめく。水中の魚からは釣り人が認識されにくくなり、警戒心を薄れさせる効果もありそうだ。