9月に入っても依然猛暑が続いていますが、長野では朝夕はだいぶ過ごしやすくなってきています。澄んだ空は高く、たなびく雲も秋模様になってきましたね。虫の音も聞こえ風情を感じます。同時に渓流釣りシーズンは、あとわずかとなってきました。
言わずと知れた避暑地の代名詞「軽井沢」で、リゾート気分を味わいながら優雅に“釣り時間”、フライフィッシングを楽しんでみました。
■森の中のせせらぎから秋色山女が躍り出る!
長野県の東に位置する軽井沢町は、浅間山(標高2,568m)の南東、標高900〜1,000mほど。観光地として人気ですが、隣の御代田町にかけて広がる森の中、千曲川水系の支流が緩やかに流れています。
朝方は涼しく、ウェットウェーディングかウェーダー(胴長)を履くのか迷います。せっかくのリゾート地なので、道具立ても普段とは変えてバンブーロッドにシルクラインを巻いたオールドリール、ハットを被って少々気取ってみました。
一帯は標高差の少ない里川の様相なのですが、護岸されていない場所が多いのが特徴でしょうか。観光地や住宅地の裏だということを忘れさせてくれる森に包まれた清流。盛夏を過ぎ、わずかに燻み出した緑の中で、緩やかな流れに漂うフライ(毛鉤)を見つめるのは、この上ない至福の時です。
対岸の流れの緩衝部分に浮かべたドライフライに勢いよく魚が飛び出しました。少々油断していたからでしょうか、サイズの割に随分と走る魚で、一緒に下流に下りながらバラさないように懸命です。バンブーロッドを程よく曲げてくれたのは、秋色に染まり出した美しいヤマメでした。
■リゾート気分でランチを楽しむ
せっかくの軽井沢ですので、釣り支度を解いてランチタイムを楽しむことにしました。お盆を過ぎたとはいえ、訪れた「軽井沢ハルニレテラス」は十分に賑わいを見せています。空席を待ち、最後の一食だった人気メニューのハンバーガーを頬張ると、口の中に広がる旨みが心を一気にリラックスさせてくれました。行き交う観光客の姿を眺めながら、午後の釣りのことを考えるのも幸せです。
そんな場所の裏の流れにも釣り人の姿がありました。行き交う観光客からは、視線だけでなくスマホも向けられて注目の的。実は筆者も釣りをしてみたかったのですが、その光景を見ていると流石に恥ずかしくなってしまいました……。