栃木県鹿沼市の西部を流れる「大芦川」は、利根川水系渡良瀬川の支流(思川の支流)。集落沿いに流れる里川ながらもエメラルドグリーンの美しい清流で、管轄する西大芦漁業協同組合の活動も精力的だ。ヤマメやイワナを釣ることができる。鮎釣りも有名だ。首都圏からのアクセスもよく足元のよい釣り場で人気が高い。
解禁日は4月3日で全国的にも遅め。解禁当日、この日を待ちわびた釣り人たちで大いに賑わっていた。
■まさに驚愕! 釣り人で埋めつくされた河原
目を疑うほどの光景が広がっていた。朝7時に到着すると、「特設釣り場」は想像を遥かに超える大賑わいだった。かなり長い区間だが、どこも釣り人が途切れることなくひしめき合っていた。道路沿いに数ヶ所ある駐車場もほぼ満車状態……。美渓で名を馳せる大芦川は釣りになるポイントも多く、本来ならワクワクしながら入るポイントに迷うところなのだが、その気持ちも萎えるほどだった。その数300人を優に超えるだろう。聞くところによると混雑は例年のことらしい。
「ルアー・フライ専用区域」は“特設釣り場“の最下流部に設定されており(4月3日のみ)、「エサ専用区域」に比べて空いている。範囲としてはかなり短いのだが、そのおかげか(初日を敬遠したのか?)、幸いにも駐車場や釣りをできそうなスペースもわずかに残っていた。
■濃い魚影! でも「本当に解禁日!?」
水流がぎゅっと集約された“流れ込み”からの“開き”のあるポイント。混雑するなか、どうにか場所を見つけて釣りを開始する。
気温は8℃、水温は7℃ほど。あいにくの寒空ではあるが、魚影は濃く、“開き”では散発的にライズ(水面付近での魚の捕食行動)も起こっている。ルアー(フィッシング)の割合が高く、フライは僕以外にもう一人だけだった。「今日は解禁日」、つまり魚たちはフライ(毛鉤)を見慣れていないだろう。「楽勝!」そう思ってフライを流すと……。
いっぱいいるヤマメたちは見事なまでにフライを見切っていく。この日のために巻いたフライを次から次へと変えてみるが、惜しいのもあれば見向きもされないものも……。チェイスしてもフッキングまでにはなかなかいたらない。「一体どこでそんな選球眼を身につけたの……?」
とにかく渋い! たまに魚はかかるが30分に一度程度で、想像していた“解禁日”とは違う。根気のいる釣りとなった。