海なし県、長野。その中央部には信州の海・諏訪湖があります。例年梅雨の頃、流入河川を遡上するアマゴたちがいます。湖で大きく育った降湖型のサツキマスは、銀光りした精悍な体躯となり、諏訪マスと呼ばれています。
ちょうど梅雨の中休みのような日が続いています。ノボリ、諏訪マスを狙って2日間のフライフィッシングに行ってきました。
■釣り人が多いということはチャンス!?
筆者は例年この時期に諏訪マス狙いで訪れています。6月上旬の増水の爪痕が見られましたが、水位はすでに落ち着いていました。川床のヌメリは洗い流されウェーディングはしやすいですが、川虫たちも流されたようで、数、種類ともに乏しい感じがします。
狙いを同じくする釣り人たちが、有望なポイントを探っているのを多く見かけました。他県ナンバーの車の割合も高く、人気具合を感じます。
エサ釣り、ルアー、道具の違いはあれど、出会えば挨拶を交わし情報交換をします。
「ノボリ狙うならもっと下(下流)の方がいいよ」
「ルアーの人もこないだ釣ってたよ。え、フライ? う〜ん……」
■渓の宝石・アマゴたち
まずはサツキマスを意識し、大型のフックに巻いたフライで臨みました。アタリはあるものの、まったくフッキングする気配がありません。徐々にフックサイズを下げ、渓流で使うようなウェットフライにしました。さらに食わせたいところで、わずかに誘いを入れるとようやくフッキング! 小さくも美しい、宝石のようなアマゴが手元で煌めいていました。
これをきっかけに、飽きない程度に釣れるようになりました。ただ、本命の諏訪マスには出会えません。河原で休憩していると、しとしとと雨が降り出したので初日は終了にしました。