アマゴとイワナが混棲する渓でサイトフィッシング!

沈み石が多くあり、魚たちが潜んでいそう

 高山市で1泊した後、翌日は東へと向かいました。周辺には釣りをしたことがある川がいくつかあるのですが、昨日同様、初めての渓へ入ってみます。

 朝から気温が高いですが、風が爽やかなのがせめてもの救いです。水温は16.9℃。本当に魚がいるのか半信半疑ながらも、まずはイワナが好きそうなポイントを狙ってフライを落としました。何度か繰り返してみましたが、魚の反応はありません。次に狙いを切り替えて、流れに合わせてフライを漂わせてみます。するとすかさず、小さなアマゴがパシャリと水飛沫を上げました。

 澄んだ水に川床まで突き刺すような夏の太陽。おかげで魚影が簡単に確認できます。先に進むと、のんびりと浮いているイワナの姿も見かけました。絶好のサイトフィッシング日和です! しかし、良型は数が少なく、なおかつフライを直前で見切ったり、咥えてもすぐに吐き出す匠の技を持っていました。負け惜しみのようですが、このやり取りがドライフライの釣りの醍醐味でもあります。

もっと大きな魚もいましたが、この日釣れた一番の良型アマゴ

 目の前(上流)の魚影にフラれながらも、ひとつ隣の筋で起こったわずかなライズを見逃さなかったのは、我ながら僥倖でした。慎重に上流側にメンディング(フライが不自然な動きをしないように行うラインの修正作業)をしながら、泡と一緒に水面に漂うフライを見守っていると、大胆にアマゴが飛び出しました。きめ細かな肌に、まるで化粧を施したような彩り豊かなアマゴの姿。写真を撮りつつうっとり眺めていると、隙をついて素早く流れに帰っていきました。

 ふと、耳触りのいい、どこか懐かしい声がしました。森の中でツクツクボウシが鳴いています。僕にとって、今年初でした。後半にかけてアップテンポになっていく鳴き声に、盛夏の到来をあらためて実感しました。