■里の渓流でカゲロウたちの宴! 桜を散りばめたようなアマゴたちが踊り出る

 前日の釣行の疲労からか、翌朝は寝返りを打つのも億劫なほどの腰痛で、すっかり気を削がれました。そんな訳でゆっくり目のスタート。桜を眺めつつ、のんびりとした釣りができそうな里川に向かいました。

「綺麗だな」と思って水の表情を撮影していたら、ライズの瞬間を捉えていました(画面上部のピントが外れている部分)

 朝9時の気温はすでに19℃で水温は8.2℃。流れにはライズもなく、フライを沈めて探っていきますが、しばらくは魚たちの反応がまるでありませんでした。少しずつ釣り上がり、次のポイントに目を移した瞬間、魚影らしきものが視界を掠めたような……。幻影かとも思ったのですが、しばらく眺めているとライズ(水面付近での捕食行動の表れ)している!

次から次へと数を増やしていくシリナガマダラカゲロウたちのスーパーハッチ
釣りそっちのけでカゲロウの飛翔シーンを狙っていたら、卵塊を抱いたメスの姿も撮れました

 10時を過ぎ、水温は11℃とまさに絶好のコンディションです。シリナガマダラカゲロウたちがチラチラと水面を飛び交い出したのを確認すると、見逃しそうなほど控えめですが、断続的にライズが起きていました。やがてカゲロウたちはまとまった群れのような数になり、ライズもどんどん気前よくなっていきます。

満開の桜を見過ぎたせいでしょうか、体側に散りばめられた朱点が花びらに見えてきます
パーマークが薄くなっていたアマゴ。鈍く銀色に光る魚体も魅力的です

 比較的シンプルな流れ込みだったので、あまり悩まずにフライを漂わせると、これまた気前よく魚たちが水面を割ってくれました。アマゴです。パーマークがくっきりした小型のものもいれば、大きめのアマゴは銀色に魚体が輝いています。体側に散りばめられた鮮やか朱点は桜の花びらのようで、見入ってしまう美しさ。アマゴにこそサクラマスという名が相応しいような(実際はサツキマス)気がしてきました。

流れを割って飛び出したアマゴ。フライを見切ったのか、フッキングはしませんでした

 滅多にない入れ食い状態にすっかり夢中で釣りを続けました。実は釣りをしながら薄々気づいてはいたのですが、釣り終わる頃にはブヨに何箇所も噛まれていました。なんだかすぐに夏が来そうですね。次回からは虫除けとポイズンリムーバーを忘れずに携行します!