標高が3,000mに迫る山々では短い登山シーズンの真っ只中だ。秋に向けての山行の計画はもうお済みだろうか。3,000m級の急峻な山々が連なる飛騨山脈(ひださんみゃく・通称 北アルプス)は数え切れないほどの絶景ポイントが存在するが、今回は筆者が5年以上、毎年通っている北アルプスエリアの絶景ポイントを5つ紹介したい。
筆者が登山にのめり込むきっかけとなった雄大な景色を紹介するので、山行の計画に役立ててもらえればと思う。
■蝶ヶ岳から蝶槍へと向かう稜線

蝶ヶ岳(ちょうがたけ・標高2,677m)は北アルプスの南東にある山で、山頂エリアから一望できる槍ヶ岳(やりがたけ)や穂高連峰の絶景を望むことができるおすすめの山だ。
特に筆者が好きなのが、蝶ヶ岳山頂から60分ほどのところにある蝶槍(ちょうやり・標高2,655m)までの稜線区間。アップダウンは少なく、ひたすら絶景を眺めながら歩ける。蝶槍へと向かう道中、左側には雄大な槍ヶ岳・穂高連峰を望み、右側には麓の安曇野市街や松本市街が広がっている。そして、正面には常念岳(じょうねんだけ・標高2,857m)があり、とにかくどこを見ても息を飲むほどの絶景だ。

蝶ヶ岳までは上高地から目指すルートのほか、安曇野側から目指すルートも複数あり、バリエーションは豊かで、筆者は三股の登山口から登ることが多い。三股登山口からのルート上には「ゴジラのような木」などおもしろい見どころがあり、危険箇所も少なく、安心して山頂を目指せるため北アルプス入門としてもおすすめしたいルートだ。
■唐松岳に向かう途中にある八方池

北アルプスの中でも北部に位置する後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)の中ほどに位置する唐松岳(からまつだけ・標高2,696m)は、長野県と富山県にまたがる日本三百名山に選定されてる山だ。
唐松岳山頂からは剱岳や立山(たてやま・標高3,015m)、白馬三山(はくばさんざん)に五竜岳(ごりゅうだけ・標高2,814m)などの山々を望む眺望が楽しめるのが最大の魅力。
山頂からの景色は雄大だが、ここで紹介したいのは山頂ではなく、道中にある「池」だ。リフトを乗り継ぎ、終点の八方池山荘(はっぽういけさんそう)からおよそ60分のところにある八方池は、リフトを利用すれば短時間で訪れることのできる絶景ポイント。
登山道も木道が整備されている箇所が多く歩きやすい。日中は観光客が多く訪れるため、おすすめは早朝の時間帯。運が良ければ誰もいない八方池で景色を独り占めできるかもしれない。