■魚影濃い! 昼なお暗い谷間へ

 この日は朝イチから歩き出していたので、目当てのポイントから遡行しつつ2時間ほど釣りをしてから車まで戻ってもまだ10時だった。次の狙い(ポイント)をどこにするか。ハシゴする先を考える。少し移動するだけで、数多の渓流があるのもこのエリアの魅力だ。コンディションが良さそうな川を選ぶ作業もまた楽しい。

支流の枝沢へ。小さい流れながら魚影は濃かった

 結局、先ほどと趣きのまるで違う、森の中にある鬱蒼とした小渓流へ向かった。盛夏のこの時期は樹々が生い茂り、キャスティングやドリフトに悩まされるが、その分魚影は濃い。

体側の斑点と腹側にはオレンジ色が目立つ

 オレンジの色を体に帯びたイワナたちが気前よく出てくる。朝入った川からは(直線距離にしたら)わずかな移動だが、渓が変わるとイワナの見た目が違うのが興味深い。いくらでも釣れそうで名残り惜しかったが、深入りするとクマも怖いので早めに切り上げることにした。

 この日は大物こそ出なかったが充実した釣り日和となった。登山やキャンプ、その他のアクティビティも充実の白馬エリア。存分に楽しんだら美味しいグルメと温泉も待っている。釣れても釣れなくても、白馬の絶景と清流で涼みながらの1日は、貴重な夏の思い出となってくれるはずだ。