■麺には独特の食感あり
かくのごとし。開缶すると、湯せんで温まったおかげで、メンマとしょう油の香りがプンと立ち昇ってくる。まずは熱々のスープをすすると、魚介のダシが利いたシンプルなしょう油味だ。すっきりしつつ、旨味が舌の上に残る感じ。
かなり太い麺を箸で持ち上げると、途中で千切れることもなく、ずるずると出てくる。そのまますすりこむと、一瞬つるつるした食感に思えたが、舌で触ると表面にごくわずかな抵抗がある。強いていえば、麺の表面にミクロレベルの凹凸があるような感覚だ。
この食感は好みが分かれそうだが、麺はふやけていないし、柔らかめではあるが弾力はある。いずれにしろ、この状態が3年間も保たれるというのは驚くほかない。
丸山製麺によると「麺の太さや、原料の配合比率などを工夫した」というが、詳しいことは企業秘密である。
■この工夫に気付いたら缶詰のプロ!
じつはこの缶詰には、地味だけど大切な工夫がある。通常の缶は、フタを取りはずしたあとの本体の切り口が鋭いままだけど、この缶は切り口の上部を、角を丸めた部位が覆っている。そのおかげで、缶に直接口をつけてスープを飲んでも、唇を切ってケガをする心配が軽減されているのだ。
この工夫に気付いたあなたは、缶詰のプロですぞ!
■今後の展開にも期待
らーめん缶の中身がわかるように、家で別撮りしてみた。大きく立派なメンマが6本(重量により数は変わるはず)。薄切りのチャーシューが1枚。肝心の中華麺は1本の長さが約33cmあった。スープは約160mlだ。
チャーシューは薄切りながら、豚肉の臭みがなくて香ばしく、とてもおいしい。メンマも食感がシャキシャキだった。
先日、丸山製麺の担当者に話を聞く機会があった。この「らーめん缶・醤油らーめん」がヒットすれば、その後に別の味のラーメン缶を開発するかもしれないと言う。それはみそ味なのか、塩味なのか。ひょっとして、有名ラーメン店とのコラボ商品なんていう意欲作が出るかもしれない(ぼくの妄想だけど)。
長らくヒット作が生まれなかったラーメン缶の、救世主のような缶詰でありました。
●今回の缶詰情報
丸山製麺「らーめん缶・醤油らーめん 内容量250g」