■暑い日中は魚もお休み? 釣り人はグルメ旅へ

街道沿いに建つ「そばの宿 まるみの湯」。事前情報なしで、外観に引かれて入りました
看板メニュー「まるみそば」。写真は大盛りで、税込1,400円

 釣り場の標高は700mほどですが、昼近くになると気温がさらに上がり、木陰から離れるのが億劫になりました。当初は周辺の渓流でも釣りをするつもりでしたが、予定変更です。川から上がって、お昼を食べることにしました。

 街道沿いには蕎麦屋が何軒か並んでいます。そのうちの一軒、「そばの宿 まるみの湯」へ入ってみました。注文したのは「まるみそば(税込1,100円)」です。鴨肉やきのこが入った温かいつけ汁に冷たい蕎麦をつけていただくと、出汁の旨みが汗をかいて消耗していた身体にじんわりと沁みました。

昭和の商店街の雰囲気。懐かしくてつい入りたくなる「坂文(さかぶん)精肉店」

 食後、五十里のほとりを下り、川治温泉に移動しました。まず訪れたのは、知る人ぞ知る名店、「坂文(さかぶん)精肉店」です。いつのまにか釣り旅がグルメ旅に変わっています(笑)。メンチカツ(税込150円)、コロッケ(税込80円)を2個ずつ購入しました。ジャガイモの値段高騰も含め、何かと物価が上がっているのに値段は上がっていませんでした。儲けはいかほどかと、他人事ながら心配になりつつも感謝して、まずはメンチカツ頬張ります。たっぷり詰まった肉の旨みとキャベツの甘みのマリアージュ! 油が染みた袋からは信じられないほどサッパリした衣の食感! 何個でも食べられそうでコワい……。

もう一つ買えばよかったかな? コロッケが好物らしい「かわじい」の前で、メンチカツを頬張る

■温泉地のキャッチ&リリース区間で良型ニジマスを狙う!

温泉街を流れる男鹿川。橋の上から大型のニジマスたちが泳ぐ姿を確認できます

 さて、本来の目的を忘れずに川治地区キャッチ&リリース区間へ。「薬師の湯」の前を流れる穏やかな流れ、温泉街の中心も釣り場になっています。上流はゴツゴツとした岸壁に囲まれた渓相へと変わり、渓流の風情となっています。

 もわっと湿気を帯びた空気が川岸を包んでいます。水温を測るとかなり高く、19℃台でした。さすがにニジマスたちの反応は鈍く、なかなかフライに反応してくれません。しかし、ヤマブキ色のアルビノニジマスたちだけは活性が高く、フライをしきりに追ってきます。いざフッキングすると小ぶりなものでも引きが強く、ロッドを絞ってくれます。

釣りの対象として以外に観光資源としても放流されている、色鮮やかなアルビノのニジマス

 徐々に日が傾いてきました。ダウンでスイングしたフライが乱暴にひったくられました! 同時にジャンプした魚は首を振りながら激しく抗います。逆回転するリールに手を添えて、走りを最小限に抑えます。直前にティペット(ハリス)を交換したばかりだったので安心してやり取りを続け、じわじわと寄せて無事にネットインしました。サイズこそ40cm少々でしたが、均整のとれたプロポーションの見事なニジマスでした。

放流されてから時間が経っているにも関わらずコンディションのいいニジマス。丁寧なキャッチ&リリースの賜物でしょう

 釣りを終えたら、急いで「薬師の湯」へ。名物の河原の露天風呂は営業終了が早く、毎度のことながら今回も入れずじまいでした。内湯に浸かってさっぱりすると、夜風がまろやかで心地いいことに気がつきました。そろそろ梅雨入りしそうです。

男鹿川と川治温泉夕景。日本ならではの釣り場環境ですね