■油でレトルト臭を打ち消すパターン
ラー油やゴマ油と並んで効果を発揮するのがオリーブ油だ。とくにオリーブの実を絞ってろ過しただけのエクストラバージン・オリーブ油は、挽きたての樹木に似た鮮烈な匂いを持っていて、例えば肉類の缶詰の蒸れたようなレトルト臭を打ち消してくれる。
しょう油などの調味料と相性がいいのも嬉しい。例えばエクストラバージン・オリーブ油にポン酢しょう油を足すと、鮮烈さにうま味が加わった万能調味料に変身する。ツナ缶でサラダを作った時などのドレッシングに最高ですぞ!
■ミルキーな風味は魚にもコンビーフにも!
さらに、忘れてならないのがバター。乳製品特有の濃厚な風味を持っていて、匂いのマスキング効果も絶大だ。ただし多用すると飽きやすい味なので、「ここぞ!」という時に使いたい。
オススメしたい組み合わせは魚缶で、そのミルキーな匂いが魚臭さを抑え込んでくれる。魚缶にバターを合わせるのは意外かもしれないけど、例えばフランスにはオイルサーディンならぬバターサーディンの缶詰が存在する。
また、コンビーフや牛大和煮などの牛肉缶に合わせる技も激推ししたい。牛肉缶には畜肉臭さがあるけれど、その中に含まれる牛脂はバターに似たいい匂いを持っている。同系統のいい匂いを足して強調することで、別の匂いを抑え込む「同調」のテクニックであります。
このように、油脂類はそれ単独でもレトルト臭をマスキングする効果を持っている。今回紹介した他にも、ココナッツオイルやトリュフオイル、マカダミアナッツオイルなど、フレバーの違う油がたくさんあるので、ぜひ缶詰と合わせて試してほしい。