■“食欲の秋”を満たしてくれるアフターフィッシング!

富士宮の潤井川沿いの「うるおいてい」で富士宮焼きそば、“うるおい焼そば(税込930円)”をいただきました

 季節は“食欲の秋”。釣り旅の醍醐味は、その土地ならではの“食”を楽しむことにもあると思っています。「富士宮焼きそば」「静岡おでん」……。ここまで来れば駿河湾も近くですので、海産物も魅力です。美味しい地元グルメの数々が待っています。厳しい釣果も手伝って、あわやグルメ旅に。本末転倒になってしまいそうでした。

 釣り場や移動の途中もそうでしたが、どうも静岡の人は話好き? 初対面でもちょっと話し出すと会話が終わらず、ついつい話に花が咲いてしまいます。これも釣り旅の楽しみでしょうか。特に後半は週末だったために釣り人の姿も非常に多かったです。ただお互いに釣果を確認し合いつつ「今日は仕方ないね〜 どうぞお先に」などと譲り合い、“魚を釣る”ことが目的というより、渓でロッドを振る喜びを噛み締めているようでした。

■特別区のビッグレインボーを釣る!

芝川のキャッチ&リリース区間、特別区。プールでは散発的なライズ

 芝川の中で、久保大橋上流〜西山堰堤までの間は特別区となっています。約1kmほどがキャッチ&リリース区間となっているのですが、なんとここは禁漁時期がないのです。つまり一年中釣りをすることができます! 

テンカラ・ルアー・フライフィッシング限定。受付は芝川西山簡易郵便局(田中屋)​、別料金。https://shibakawa-cr.net

 区間内の下流部は里川の風情ですが、上流へ釣り上がると谷が狭まり渓流の感が強くなります。ニジマスは40cmを優に越える大物が数多く放流されているのも魅力です。今回の釣り旅の途中にもお邪魔しました。

渓流タックルで50cmを超える大型のニジマスとのやり取りはスリリング!

 さっそくプールの流れ込みで散発的なライズを見つけました。水面を飛び交う虫たちに似せたドライフライを水面に漂わせると、数投でヒット! 小さめですが、整ったプロポーションの魚体です。

 今度はフライを沈めてしつこく流してみました。魚影は濃いですが、フライを咥えさせるのは決して簡単ではありません。良型のニジマスがロッドを絞り込みます。大型ニジマスの力強いファイトに細いティペット(ハリス)を切られないように懸命に耐えて無事にネットイン! 僕にしては珍しくバラすことなく釣りができたのは、シーズン最後だからこその集中力の賜物でしょうか。

秋の日差しに落ちる影。この時期に釣りができる幸せ

 これにて、筆者の自然渓流での釣りは本当に終了です。今シーズンの最後に気持ちよく釣りができたことに感謝しつつ、これから本格的にシーズン入りする“冬季釣り場”にすでに思いを馳せています……。