静岡県の伊豆半島西側に広がる「伊豆山稜線歩道(いずさんりょうせんほどう)」の北側に位置する金冠山(きんかんざん)、達磨山(だるまやま)、古稀山(こきやま)は、標高が1,000m未満の低山で、初心者でも気軽に登れる。筆者はだるま山高原レストハウスから登りはじめ、金冠山から達磨山、古稀山までの稜線を歩き、古稀山から引き返してだるま山高原レストハウスに戻った。約11kmの道のりを4時間ほどかけて気持ちよく歩いた。

 稜線を歩けば、駿河湾越しに富士山(標高3,776m)を楽しめるだけでなく、2位の北岳(標高3,193m)、3位の間ノ岳(標高3,190m)も一望できる。冬の晴れた日は空気が澄んでおり、冠雪の山々がくっきりと見える。ぜひ快晴の日を選んで、この貴重な絶景を気軽に楽しんで欲しい。

■心地よく歩ける伊豆の絶景稜線

だるま山高原レストハウスから見る、朝陽に照らされた風景(撮影:田口 空)
アップダウンが少なく、心地よく歩ける稜線(撮影:田口 空)

 この稜線は比較的緩やかなアップダウンが特徴で歩きやすく、登山初心者にもおすすめのルートだ。金冠山の周辺には、だるま山高原レストハウスの駐車場があり、アクセスがしやすいのが魅力。さらに、稜線の近くを西伊豆スカイラインが通っており、スカイラインから稜線に入って歩く距離を短縮することも可能だ。

 登山開始前の朝6時半頃、だるま山高原レストハウスから眺めた、富士山と樹木が朝陽に照らされた美しい風景には心を打たれた。その後歩いた稜線も富士山や駿河湾を眺めながら心地よく歩ける最高の稜線だった。

■日本の標高トップ3の山々が一望できる

日本の標高トップ3の山々が一望できる稜線からの眺め(撮影:田口 空)

 稜線から北北西の方向には、約50km先に日本一の標高を誇る富士山がそびえており、北西の方向には、約100km離れた場所に標高2位の北岳と3位の間ノ岳がある。この稜線は、このような絶好の場所に位置しており、駿河湾を挟んで日本の標高1、2、3位の山々を一度に眺められる、非常に貴重な絶景稜線である。南アルプスは、富士山側から北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、赤石岳、聖岳まではっきりと見渡せる。筆者は昨年夏に富士山、今年夏に北岳と間ノ岳に登ったこともあり、一度に日本の標高トップ3の山々を見渡せ、非常に感慨深かった。