■梅雨どきの釣り・雨後の渓で「注意したいこと」

この季節、湿り気のある渓にはクリンソウが咲いています

 梅雨どきの釣りは、雨と雨の間になりますね。そぼ降る雨の下での釣りも風情があります。では、雨後の渓流釣りに適した釣り場はどこでしょう。まずは増えた水が引き、濁りがなくなるのが早いこと。他にも条件は色々ありますが、逆に考えると、複数の支流が合わさる下流ほど条件が悪くなるでしょう(特殊な条件で異なる河川も)。

 さて、川、ポイント選びも大切ですが、まずは安全に釣りができる場所を選ぶことが大切ですね。上流にダムなど一時的に流れを堰き止めるような施設がないこと。奥に深い山域が控えている下流では、時間差で増水することもあります。狭い谷間では鉄砲水の恐れもありますし、落石のリスクも高いので避けるべきでしょう。当然山岳渓流は適さないですし、里川でもよく考えて選ぶ必要がありますね。

本当に細い流れ。水量が増えていることに期待していたのですが……

 まとめると、穏やかで高低差の少ない小渓。なるべく源流に近い、それでいて平坦な流れが無難でしょうか。渓流魚が泳ぐ川で条件を満たす場所は、なかなかないかもしれません。普段から地形図と睨めっこしながら目星を付け、様子(地質や周辺環境など)をチェックしておくことが重要になってきます。日常的に関心を持って観察を続けることは、登山と同様、自然の中で活動する上で大切な要素ですね。

 いずれにせよ、大雨が降った後の釣行は控えるべきです。来たるべきベストコンディションに備えてフライタイイングに勤しむのが賢明かもしれません。晴耕雨読の世界です。