■癒しの支流! 春の渓を楽しむ

 さて、目的の支流に入渓しました。そっと覗くと、程よいサイズのヤマメが流れにゆらりゆらりと身を委ねています。僕の熱い視線に気づいたのか、ゆっくりと上流へと泳いで行きました。

 まずは魚がいることを確認したのでひと安心です。じっくりと水生昆虫の観察を始めます。本流同様、種類も多く、幼虫から亜成虫、成虫と成長段階もバリエーション豊富で、写真撮影にも熱が入ります。後で図鑑と照らし合わせるのも楽しみの一つです。

まだ冬枯れの渓。奥にはポツリと桜が咲いていました

 魅力的なポイントが連続して次から次へと釣り人を誘惑します。しかし、案外そういう場所は反応が渋かったです。ライズがなくとも、浅い流れの集約するような“小場所”をドライフライで流す方が、ヤマメたちは気前よく水面を割ってくれました。そういえば、イワナもいると聞いてはいたのですが、この日顔を見せてくれたのはヤマメだけでした(もちろん、イワナが好みそうなポイントも攻めました)。

流れに帰っていくヤマメ。光の加減か桜色をわずかに帯びているようにも見えました

 まったく簡単という訳ではないですが、気難しさのない素直な魚たち。わずか300mほどを半日以上かけて釣り上がりました。心地よい疲労感と充実感、すっかり癒されて川から上がりました。

 気持ちはすでに温泉へ……。すっかり日も長くなってきましたね。新緑の頃にまた訪れたい、そんな渓でした。