■大物は釣れなかったけれど満足!

見えない位置から狙ったおかげでしょう。疑わずにフライを咥えてくれたイワナ

 飛び交う水生昆虫の姿はわずかで川床の幼虫も少ない感じでした。かと言って陸生昆虫もまだまばらな様子で、フライのチョイスに迷いました。楽観的に解釈すると、魅力的な流下物にはいい反応を見せてくれるはずです。総じて、小さめの黒っぽい虫が多いようでしたので、アント(蟻)パラシュートをパイロットフライにしていました。

 ちょうど岩と岩の間、深さのある流れの淀みにフライを落とし込みました。こちらからは岩陰で魚が出てきたのはわかりませんでしたが、岩に載せたライン(リーダー)の動きで合わせると、この日一番、尺サイズのイワナがフライをしっかりと咥えていました。

 釣り上がった後、銀山湖ゆかりの作家・開高健氏の石碑を訪ね、静かなひとときを過ごしました。

石抱橋のたもとにひっそりと佇む 銀山平ゆかりの芥川賞作家・開高健『河は眠らない』の文学碑

 当日は、釣り人しかいないような、まさに静寂の銀山平でした。来月に入ってしばらくすると、冬季通行止めも解除され福島県との行き来ができるようになります。湖沿いのドライブも気持ちいいですし、観光客も増えて賑わいを見せるはずです。それに伴い釣り場も一気に増えますね。

 今回も50cm近いイワナの姿を確認したのですが、そんな姿を見るだけでも満たされた気持ちになり「また来よう」と思わされるのでした。