神奈川県の宮ヶ瀬湖南東にある山塊を歩くルートを紹介する。バス停・土山峠を出発点とし、革籠石山(かわごいしやま・標高640m)、仏果山(ぶっかさん・標高747m)、そして高取山(たかとりやま・標高705m)を経由して湖畔に下り、宮ヶ瀬ダムに至る約6時間のルートである。

 「仏果山」をハイライトとするが、ダム湖がある風景を尾根の上から見下ろすことができるのも、このハイキングの特徴となる。

 空気の澄み切った冬晴れにこそ歩きたい、低山ながら魅力の詰まったルートである。

■仏果山へのアクセス

 今回は公共交通機関を利用した。小田急線・本厚木駅から宮ヶ瀬行きのバスに約40分乗るのだが、朝8時台のバスに乗車できれば、日暮れの早い冬でも、時間的に余裕をもってハイキングが可能。週末に極度の早起きが必要ではないし、下山してバスで本厚木駅に戻るのにも、15時から17時の時間帯に1時間に1本のバスがある。

 コース取りは変わるが、マイカーで大棚沢やあいかわ公園から登ることも可能だ。

■低山とはいえ、侮るなかれ!

高度を上げていくにつれやせた尾根となる。歩くときには慎重に

 土山峠からは、幅広の尾根を、広葉樹の落葉を踏みしめ登っていく。それほど息も上がることなく革籠石山を通過し、仏果山の標高700mあたりまでは、仲間との会話も楽しめるくらい比較的楽に歩けるだろう。しかし山頂が近づくにしたがって、会話はいつしか止み、歩きに集中することになる。

 登山道の道幅が狭くなり、両側が切れ落ちた場所や、岩場が連続する岩稜帯となるからだ。一歩一歩集中を切らさず、慎重に歩を進めよう。岩や鎖を頼りに手も使う箇所では足場に気を付けるようにしよう。

■展望が素晴らしい!

 岩尾根を抜けるとピークは間近だ。仏果山の山頂には展望塔があり、相模湾、三浦半島、房総半島、そして相模平野のみならず、関東平野までも視野に収めることができる。

 展望塔は次なる高取山にもあり、高取山から20分ほど下ったところにあるビューポイントが、今回のコースで一番のお気に入りとなった。これから目指す青々とした宮ヶ瀬湖全体が眼下に広がり、設置されてあるベンチで休憩を取りながら、その広大で美しい景色を心ゆくまで味わい尽くせる。頭上に送電線がある場所なので、判りやすいだろう。

 このルートは、低山にしては、遠くまで続く山並みのみならず、湖のある風景、好天であれば雪を戴いた北関東の山をも見通せるほど質のよい展望を楽しめるのが魅力だ。出発点の土山峠から高度を上げ、革籠石山、仏果山、高取山を経て、お気に入りのビューポイントに続く尾根を歩いている際にも、西側に並走する丹沢主脈の丹沢山などを眺められる。さまざまな風景を堪能することができるのだ。

高取山から20分ほど下ってきた尾根上のコブのビューポイント。頭上に送電線があるので判りやすい。ベンチに座って宮ヶ瀬湖の全体を眺めながら休憩してみてはいかがだろうか。