■春の水面にカゲロウが舞う

躊躇することなく、ひったくるようにフライを咥えていったニジマス

 正午になるとますます気温は上がり、気温16℃、水温は11.6℃になりました。上流へ移動して流れ込みの開きへフライを泳がせます。一匹目同様スイングし終わる瞬間に「ズドン!」。先ほどよりさらに小さいですが、厚みのあるニジマスです。

 この日は少々風が強めだったのですが、何やら風に乗って川上へ、今度は流れに漂いながら川下へ。よく見るとこの時期にしては大きめカゲロウの姿が目に入ります。ナミヒラタカゲロウのダン(亜成虫)でしょう。

水中から浮上し羽化、水面を流れゆくナミヒラタカゲロウ

 まるで花びらが舞い、水面を流れるような様子です。釣りそっちのけで、すっかり見とれてしまいます。気のせいか、視界の端で、水面が割れてカゲロウが消えたような……。フライボックスの中から、それっぽいウェットフライを出して結んでみました。期待を込めて何度か流しましたが、まだタイミング的には早かったようで反応はありませんでした。

 春の訪れを感じた一日。釣果も嬉しかったですが、釣りを通して季節の移り変わりをしっかりと実感できた本流釣行でした。ちなみに午後を過ぎたあたりから、花粉症の諸症状に襲われ、ロッドを振るよりくしゃみをしている方が多い状態に。これまた季節の移ろいを否が応でも感じずにはいられませんでした……。