■高知らしいカツオ入りパエリア

大きな具が嬉しいパエリアの缶詰

 ラストは黒潮町缶詰製作所の「鰹と海鮮たっぷりの土佐流・玄米パエリア」であります。

 土佐、すなわち高知らしくカツオの切り身が入ったパエリアの缶詰で、常温のままで食べても、ごはんの食感が良くなるように工夫されている。とはいえ、パエリアなのだから熱々にして食べた方がおいしいのは間違いない。

■本場のパエリアと同じ調理手順

内容量182gは大きめのごはん茶碗で約1杯分

 かくのごとし。この缶詰は製法に凝っていて、最初にイカとセロリなどの香味野菜を炒めてからソースを作っている。本場のパエリアと同じ調理手順を踏んでいるのだ。具はイカ、カツオ、ホタテ、パプリカと多彩で、主人公である高知県産の玄米もアルデンテの歯ざわりがある。各部がちゃんとパエリアなのだ。

 火にかけているあいだ、ずっと香ばしい匂いがしていたのも良かった。加熱したイカとガーリックの香りがあり、その中にセロリとサフランの香りもある。最初に紹介したチリコンカンのような素朴さも良いけど、このパエリア缶のような凝ったものも、同じくらい良いなァ。

付け合わせの野菜も直火焼きでウマー

 今回登場した缶詰で順位付けをすると、1位はやはりチリコンカン。スキレットにあけて火にかけただけで、あっという間に西部劇っぽい雰囲気が生まれるのが大変よろしい。

 2位はパエリア缶にしたい。もともとスペインでは焚き火でパエリアを作るのが珍しくないから整合性もあるし、火にかけているあいだずーっと素晴らしい香りがしているのが良い。

 あんかけスパゲッティ缶は3位。当初はヘミングウェイの世界を再現するつもりだったのに、途中でエビフライを添えたくなったりして、ベクトルが名古屋へ向いてしまった。でも、ウマかったから良しとする。

 焚き火に似合う缶詰は他にもたくさんあるので、次回も引き続き、別の3品を紹介しようと思う。お楽しみに!

 

〈今回使った缶詰情報〉

・カルディコーヒーファーム「メキシチョイス チリコンカン220g」

・スパゲッティヨコイ「ヨコイのあんかけスパゲッティ缶詰105g」

・黒潮町缶詰製作所「鰹と海鮮たっぷりの土佐流・玄米パエリア182g」