秋から冬にかけて、本州の多くの一般河川での渓流釣りが禁漁になりますが、その時期、特定の区間にニジマスを対象に釣りができる“冬季釣り場”が増えてきました。
エサ釣りが可能な釣り場もありますが、多くは疑似餌、つまりルアーや毛鉤を使った釣り方に限定されていることが多いです。人気の釣り場ほど魚が“スレる”のも早く「魚はいっぱいいるのに釣れない」状態になります。“管理釣り場”同様、その難しさが醍醐味でもあるのですが……。
そんなスレたニジマスたちに効果的だということで使う人が多い、いわゆるアトラクター的な“モフモフ”系のフライを試してみました。果たして釣果のほどはいかに……。
※ 北海道や本州の一部河川では通年で釣り可能な場所もあります。
■サイトフィッシングにも最適! 上野村を流れる神流川の「冬季ハコスチ釣り場」
筆者が今までに釣り(フライフィッシング)をした冬季釣り場は10数か所あります。そのなかでも足場の良さ、魚影の濃さについては文句なしの場所が、上野村を流れる神流川の「冬季ハコスチ釣り場」です。
神流川は利根川水系に属する一級河川で、群馬県南西端の上野村にある三国山に端を発する、全長87kmあまりの川です。民家の裏を流れるような里川の雰囲気と、深い谷間に刻まれた山岳渓流の顔を合わせもつ清流です。上流部を管轄するのは上野村漁業協同組合(漁協)。濃い魚影はもちろん、釣り人に寄り添った運営が好評で、SNS等を通じての情報発信も頻繁に行われており、人気のフィールドとなっています。
一般渓流は禁漁となっていますが、10月〜2月の間、漁協の事務所がある川の駅の裏をメインステージとして、その上流と下流、約1.5kmの間をキャッチ&リリースの「冬季ハコスチ釣り場」として営業しています。
「ハコスチ」とは、遊漁用に水産試験場が開発したニジマス(レインボートラウト)です。野性味が強いスチールヘッド系ニジマスと、群馬県のみが保有する飼育しやすい箱島系ニジマスを交配したもの。スチールヘッド系の特徴を引き継いだ“引き”の強さと箱島系の姿形の美しさ両方を持つ魚です。群馬県が「ハコスチ」として商標登録しています。
※キャッチアンドリリースや魚の取り扱いについては、上野村漁協のウェブサイトを参照のこと。
https://www.ueno-fc.com/winter
火曜定休となるので要注意!
■「冬季ハコスチ釣り場」のニジマスはモフモフがお好き!?
スレた魚を相手に、あの手この手で工夫するルアーやフライフィッシング。積極的にリアクションバイトを狙うことも常套手段のルアーフィッシングに対して、フライフィッシングは、対象とする魚たちの食性に合わせたフライや釣り方で楽しむのが元来の姿でした。経験と知識、自然への洞察力が試されるナチュラルなフライでの釣りは、この釣り方の醍醐味なのは言うまでもないでしょう。
しかし養魚場育ちのニジマス、とくに放流直後の魚たちには、エッグフライやトラウトガム、マラブー系など、いわゆるアトラクター的なフライが効果的な場合も多いです。エッグフライは魚卵を模しているのですが、カラーや形状のバリエーションで千差万別、もはや魚卵とは思えないようなアレンジが施されたものが多いです。さらにはペルディゴンニンフのような競技から生まれたフライを使った釣法も最近では盛んです。
毎日釣り人が訪れるような釣り場では、ニジマスたちがスレるのが早いです。ポイントや時間などのタイミングでも反応は違いますし、けっきょく興味を引く範囲、ニジマスたちの本能に訴えて口を使ってくれるようなパターンでありつつ、なによりも他の人が使っていないようなフライが重要だと思っています。
有効なパターンが日によっても違うのが難しくもあり、おもしろいところではないでしょうか。前回通用したパターンが次回の釣行でもうまくハマればいいのですが、反応が芳しくないと、もっと他にも巻いてくればよかったと反省することも数知れず……。
ぱっと見、これで魚が釣れるとは思えないようなファンシーな雰囲気のフライたち。今回は、ふんわりとした“モフモフ”系のフライをいくつか巻いて釣り場へと向かいました。