「メバルは春告げ魚だから、冬は釣れない」 そんなイメージを持っている人は多い。しかし、実際には、1〜3月こそメバリングが最も“沼りやすい季節”だと筆者は思う。
この時期のメバルは、産卵・回復のために普段より浅場へ寄るため、ショア(岸)から狙えるチャンスが大きく増え、些細な条件が重なると、冬とは思えないほど積極的に口を使ってくる個体がいる。そして、“真冬”の真夜中に、釣りをする人は少なく、実はそこが狙い目にもなる。しかも良型が釣れるとくれば、冬の海に向かう足どりも軽くなるというものだ。
■メバルとは? 冬のメバリングは沼!
メバルは沿岸域に広く生息する根魚であり、堤防・ゴロタ岩・藻場・漁港など人がアクセスしやすい場所で狙えるターゲットである。サイズは通常で20cm前後、良型は25cm以上。30cmを超えるものは“尺メバル”と呼ばれ、メバルを釣る人の目標でもある。夜行性で、日中はテトラや岩陰に潜み、夕暮れ以降に表層〜中層へと浮き捕食を行う。
冬のメバルは動きがスローで繊細。表層〜中層を浮いたり沈んだりを繰り返すため、適切なレンジ(魚が泳いでいる水深)にルアーを通せば、バイト(魚がエサやルアーに食いつくこと)を得やすい。そのために常夜灯の明暗、わずかな潮の変化、ベイト(捕食される小魚)の浮き沈みなどを丁寧に読む必要があるが、ひとつハマる条件を見つけると、一気に連発することもあり、このパズルのピースを埋めるようなゲーム性が冬のメバリングを「沼」へと変える大きな要素でもある。
■冬メバリングの魅力と中毒性
冬のメバリングの最大の魅力は他の釣り人という「ライバルがいない」ことである。そして釣れるサイズが「大きい」。もしかしたら、ライバルが少ないことが大きい個体に出会える確率を上げているのかもしれない。真冬のひと桁台の気温、さらに岸に立てば海風が体感温度を容赦なく下げる。周りに人はなく、聞こえるのは波の音だけ。こんな状況で釣りをしたい人はそうそういないだろうし、こたつに入ってぬくぬくしているほうがいいに決まっている。だからこそ、「価値」があるのだ。冬の釣りは修行に近いかもしれない。しかし、その先に大きな喜びと感動がある。冬のメバリングが止められない理由がそこにある。