真冬に公園などを歩いていると、花火のような花を咲かせている植物が見られる。「ヤツデ」だ。花を咲かせるタイミング、特徴的な姿、そして大きさが相まって、植物に詳しくなくても見覚えがある人は多いだろう。
このヤツデ、じつは「冬に生きる虫」にとっても貴重な植物なのである。なぜ、ヤツデに冬の虫が集まってくるのか、その理由を解説していこう。
■名前の由来は「葉が8つに分かれるから」ではない
ヤツデは「ウコギ科」に属する植物。数メートルの大きさに成長する低木で、切れ込みのある大きな葉は、かなりの存在感を放つ。公園などでもよく見られるほか、庭木としても植えられる身近な植物である。
ヤツデは漢字で書くと「八手」となるが、その由来は葉の形状がまるで「手のひら」のようであるためだ。名前からは葉が必ず8つに分かれているように思ってしまうが、じつは8裂とは限らない。むしろ、実際は7裂や9裂のものが多く、偶数のものは少ない。
◼️花は冬に生きる虫たちの貴重な栄養源
ヤツデは「花」もユニークだ。ヤツデの花は球状に集まって咲くタイプで、きれいな丸い形になる。その姿はまるで「花火」のようだ。
花期も特徴的であり、晩秋〜真冬(11〜1月頃)に花を咲かせる。
この時期に花を咲かせる植物は少ない。そのため、冬に活動する虫たちにとって、ヤツデの花は大事な「蜜源」なのだ。