■釣り人あるある!?

一本目から“泣き尺”サイズのイワナを釣り上げた同行者

 ちなみに、(ウェットフライやニンフなど水中用のフライを使わず)ドライフライにこだわったのには、ある理由がありました。僕の後ろからルアーマン(小林さん)が同行していたためです。比較的アプローチのいい、車道のそばの渓でしたが、同行者がいた方が安心です。小林さんはこの渓は初めてということで、僕が先行して案内しつつ、ドライフライで水面を釣り、後ろから付いてきてもらっていたのですが、後ろからでもかなりの数を釣り上げていました(おそらく僕以上)。立派な尺上(シャクガミ)イワナも2本上げてすっかり満足していたようです。

漁協の放流箇所より上流。間に巨大な堰堤もあるので、紛れもなく天然イワナです

 行く手を大きな滝に阻まれた最後ポイント。「こんなとこにいないでしょ」というような、岩がゴロゴロと積み重なった中の浅い流れでした。わずかな反転流から浅い落ち込みの中にフライを送り込むと、「ググ〜」今までと段違いの強烈な引き! ロッドが弓形に絞り込まれます。大声で「40cmはあるよ!」と後方の小林さんを呼びつけます。興奮と緊張に震えながら何とかいなしていると、水中の組み合わさった岩の隙間から下流に走られてあえなくラインブレイク……。

推定40cmオーバー!? 大物が潜んでいた流れ。まさに“岩魚”です

 汗をびっしょりかきながら薮を掻き分け退渓。車道を歩きながら「最後に45cmかけるなんて、俺もってるな〜」と、気づけばサイズも盛っていました。しばらくすれば50cmくらいになっているのでしょうか。