■サケ缶はかつてキューピー印だった

1917年頃の缶詰ラベル(画像提供:マルハニチロ株式会社)

 ところで、キューピーと聞いて真っ先に思い浮かぶのはマヨネーズではないだろうか。日本で初めてマヨネーズを製造・販売したのは中島董一郎という実業家で、はじめはサケ缶やカニ缶の販売から事業をスタートした。1925年(大正14)に食品工業株式会社(現キユーピー株式会社)を創業し、念願の国産マヨネーズを売り始めたが、当時はマヨネーズの使い方を誰も知らなかった。野菜をサラダで食べる習慣がなかったのだ。そこで、マヨネーズを「サケ缶やカニ缶に付けて食べるソース」として売り出した。

 さて、そこで登場するのがキューピーだ。国産マヨネーズが登場する以前、日魯漁業(現マルハニチロ)のサケ缶は、実はキューピーブランドで売られていたのだ。中島董一郎は、その人気キャラクターをマヨネーズに引き継いだというわけ。サケとマヨネーズの間にはとても深い関係があるんですぞ。

(ちなみにキユーピー株式会社は“ユ”が大文字)

サケ缶はトマト煮にしても美味

 そんなサケ缶をあらためて食べてみると、カニにそっくりの匂いとうまみがあることに気付いた。甲殻類っぽい風味なのだ(常温のまま食べるとよく分かる)。魚なのに生臭い匂いがほとんどしないのも、人気の秘密だと思う。

■“CAN”P料理にちゃんちゃん焼き

サケ缶で作るちゃんちゃん焼き(画像手前)

 サケ缶は汁まで美味しいので、汁ごと使ってちゃんちゃん焼きにするのはいかが?  味付けはみそとバターで、他に玉ねぎやキャベツなどの野菜を加えて蒸し焼きにすれば缶成。あらかじめじっくり焼いた芽キャベツと合わせてもウマかったですぞ!

■今回の商品情報

マルハニチロ「あけぼのさけ」

¥324/90g

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