2月16日、筆者の住む長野県内ではいくつかの渓流で釣りが解禁になりました。毎年この日を楽しみにしているのですが、仕事の都合がつかず、ようやく釣りに行けたのは解禁日から1週間後の3連休でした。
しばらく春のような暖かい日が続いており、フライロッドを片手に意気揚々と山里の渓へ。はたして釣果のほどは……。
■春めく山里、期待に満ちたシーズンイン
2月だというのに花粉が気になるような陽気です。まだまだ冬が恋しいのですが、早春の渓流釣りには都合がいいでしょう。「これなら多少標高が高くても釣りになるかも!」と、南佐久南部漁協が管轄する渓流へと向かいました。
小海町で千曲川から離れて山あいへと入っていきました。山里はすっかり春めいており、のどかな景色のなかに里川の水面が優しく煌めいています。
待ちに待ったシーズンインです。実は昨年の秋、禁漁直前にもこのあたりに訪れていました。去年いい釣果があった場所をたどりつつも、この時期に魚たちがたまっていそうなポイントを探る算段でした。
■暖かいとはいえど、まだ2月。冷たすぎる水温に大苦戦
まずは南相木村内を流れる渓の上流部へ。日が高くなると、前日同様に気温はぐんぐん上がっていきます。標高約1,000mのポイントに着いたときには17℃でした。
4月下旬並みの陽気にウキウキしてしまいますが、河原の日陰や岸よりの澱みなどには氷が張っています。水温はなんと2.9℃と筆者の予想をはるかに下回る冷たさ。氷の下から吐き出された水は見た目にも冷ややかに、滔々とリズムを刻んでいます。
案の定、いくらフライを流しても魚影すら見えず、早々に諦めることに。次は北相木村へと移動します。こちらも状況は同じような感じで水温は2.4℃。それでもわずかな希望を胸に丹念にフライを泳がせ続けます。しばらく釣り上がっていくと、水中を素早く動く影が! 魚影かと思って期待が高まったのですが、正体なんとカワネズミでした。流れを横切り、石から石へと泳ぎ渡っていく姿には、水の冷たさを忘れさせてくれるような力強さを感じました。
■「もっと早くこっちに来ればよかった」 里川で釣れた一匹のヤマメ
夕方、標高を下げて千曲川本流に近い小海町の流れに移動しました。水量もいささか増えて水温は8.4℃。先ほどよりずっと魚に出会う可能性がありそうです。
傾いた西日が山の端に差し掛かり、残り時間もあとわずか。逆光に目をしかめながらも有望そうなポイントを探っていきます。上流から流し込んだニンフ(水生昆虫の幼虫を模したフライの一種)を、流れ込みに沿わせるようにリトリーブしてくると、いきなり生命の脈動が伝わってきました! 忘れかけていた魚の手応え、反転した白い腹に見とれつつも無事にネットへ。型こそ小さいものの、ヒレの張った美しいヤマメでした。
瀬音を聞きながら流線型の艶やかな魚体を眺め、ようやくシーズンインした実感が込み上げてきました。このまま本格的に春になってしまうのでしょうか。暑い夏と渇水を思うと、少しでも長く冬が続いてほしい。もっと積雪がほしいところです。