徐々に蒸し暑さが増してきていますね。梅雨本番も近そうです。

 釣れる、釣れないはポイントが大事なのは、どの釣りも同じですね。さらにタイミングも重要です。魚の特性によってポイントは違います。水量、水温はそのときだけでなく、経過も重要です。狭い渓流では先行者の存在も……。

 川の流れを眺めながら日々釣れる条件を探しつつ、フライロッドを手に渓を彷徨っています。

■碧い水の渓へ! 開始早々、ヤマメが水面を割る

中流部のポイントを見にいくと、イワツバメたちがしきりに飛び交っていました
しっとりした渓の雰囲気。もう少し水量がほしいところです
とくにこの淵では水の碧さが印象的でした

 群馬県での山仕事終わりに延泊。翌日向かったのは、以前から2〜3年に一度訪れる山地渓流です。上流部、山の稜線付近はどんよりとした雲に覆われています。渇水気味の渓ですから、程よい雨は歓迎すべきでしょう。実は前日は一日かけて利根川本流のポイントを川見して回っていたのですが、そちらはダム放流の影響で水量が多く、ロッドを出すことなく終わってしまいました。

 切なくも妖しく歌い続けるカジカガエルの声が、かすかな瀬音に混ざり合っています。

 車道に沿うように流れる渓ですので、はたして魚が残っているのか気になります。しかし、そんな心配をよそに開始早々、ヤマメが流れから飛び出しました。サイズこそ大きくはありませんが、ロッドを絞るように深みへと走ろうとします。今日一日の運勢を決めるような一匹目です。慎重に引き寄せてネットイン。幅広の魚体、金属光沢のように鈍く繊細な輝きを放っていました。

程よい流速、細いけれどメリハリがあります。底石が流れにリズムを刻んでいます
金属光沢のように鈍く輝く繊細な魚体のヤマメ

■教科書通りの付き場! イワナとヤマメが交互に釣れる

イワナは写真上部、流心の脇“穴”のようなポイントで流れてくるエサを待っています
ぬめりとした質感の肌。どこか爬虫類を思わせるイワナ

 “ぶっつけ”から吐き出された流れ。ピックアップ寸前のフライに浮上してくる魚影がありました。沈み石の上に定位していたヤマメは、何度かもの欲しげに頭上のフライに寄ってきましたが、わずかにかかったドラグのせいでしょうか。フライを咥えることはありませんでした。

 一段下がって渓の写真を撮りながら待ちます。15分程度間をおいてからもう一度フライを流してみますが、今度はまったく浮き上がってきません。どうやら警戒心は強そうです。

 10mほど上流、今度は岩の脇の深さのある反転流を狙ってみます。投げ込みやすい方向からで何度かフライを落としますが反応がありません。そこで細心の注意を払い、集中してごく自然に流せるラインへ、きれいにフライを漂わせました。(たまたまですが)うまくいきました。と、あっさりと浮上してくるイワナの顔! こちらもサイズはそれほど大きくはないですが、プロポーションの整った筋肉質な魚体の魚で、レンズを向けながら惚れ惚れと見入ってしまいます。

 ヤマメは緩急ある程よい流速の“流れ”から、イワナは流れの緩やかな反転流や“穴”を狙って。わずかでも不自然な動きには敏感ですが、それぞれ、おおよそ教科書通りのポイントから反応がありました。釣れる魚たちはサイズこそ20cm前半までですが、狙い通り小気味よく割れる水面に心躍ります。

羽化したてのサナエの仲間。無事に飛べますように

 途中、水中を観察していると、サナエ(トンボの一種)の仲間のヤゴをみつけました。その脇の石の上にはまさに脱皮したばかりのサナエの姿が! ダビドサナエでしょうか。しばらく見守っていると、どこか忙しなく落ち着かない様子で。以前、羽化の一部始終を観察したことがありますが、今回は釣り欲の方が勝ち、後ろ髪を引かれつつも上流へと向かいました。