“日本一”と聞くだけで、その地を訪れ自分自身の目で確かめたくなるもの。河川やダムといった水利構造物が好きな筆者にとって、群馬県安中市にある「上木馬瀬(かみちませ)砂防堰堤」もそんな日本一の一つです。
クルマに折りたたみミニベロを積んで旅する“ゆる6”こと「ゆる6輪の旅」の第3回目は、ダムマニアでなくても気になる“日本一の螺旋(らせん)式魚道”周辺を巡りました。
■そもそも魚道ってなに?
魚道(ぎょどう)とは、読んで字のごとく「魚の通り道」。山がちな日本の河川は流れが比較的急で、上流から流される砂や鉄砲水から流域を守るために堰堤(えんてい)が築かれます。
一方で、人の暮らしに欠かすことのできない堰堤はどうしても、魚の自由な往来を分断してしまいます。
魚の中には季節に応じて流域を移動することが多いため、「それじゃあ気の毒だよね」ということで、堰とは別に滑り台のようなスロープ状の水路を設置することで、魚が泳げるようにする仕組みを持つ構造物が魚道なのです。
とはいえ、緩やかなスロープを建造するには長い距離が必要。上木馬瀬の堰堤のように高低差が急なエリアでは、上下方向で角度を稼ぐ螺旋式が選ばれることになります。
■松井田城趾もかなり面白いです
上木馬瀬砂防堰堤があるのは、群馬県西部にある安中市松井田。めがね橋で有名な碓氷峠(うすいとうげ)からクルマで10分ほどの場所ですが、松井田と聞けば、「松井田城趾」が思い浮かんだ人はきっと城址マニア。今回の「ゆる6」は松井田城趾からスタートします。
ブロンプトンのCラインをさくっと組立てて出発! の前に、松井田城址を散策することに。
松井田城は碓氷川と九十九川(つくもがわ)に挟まれた、標高400mほどの尾根沿いに築城された山城。北条氏の築城法を取り入れた山城の典型ですが、天正18(1590)年の豊臣秀吉の小田原攻めの折に落城。
いまは国道18号線(松井田バイパス)の傍らの山林に城郭は消え、草木の影にわずかに残る大手門や掘割などの跡が往時を忍ばせます。
「野生動物たちに登城をお知らせください」と、ブリキの缶がそこかしこに吊るされているので、ストックでガンガン叩いて金属音をこだまさせつつ、雑木林の散策路を満喫しました。
安中市は松井田城趾のほかにも、磯部城などの城址公園もあるので、いずれ城趾巡りメインでじっくり訪れてみたい土地です。