■おすすめのポルトガル缶詰は「バカリャウのパテ缶」

BRIOSAバカリャウのパテ缶の外観と内観

 さて、そんなポルトガルの缶詰の中で断然おすすめしたいのは、干しダラのパテ缶だ。干しダラを水で戻して塩抜きし、ジャガイモ、オリーブ油、香辛料などを加えてパテにしたもので、干し魚特有のぎゅっと凝縮されたうま味がたまらなくウマい。

 現地では干しダラを「BACALHAU(バカリャウ)」と呼ぶので、缶詰にも「PATE DE BACALHAU」などと書いてある。メーカーによって味の違いがあるものの、どれも美味しい。

■食べ残しの心配ナシ

ふわっとしたパテはパンに塗りやすい

 かくのごとし。好みのパンを切り分けてバカリャウのパテを塗れば、どこでもポルトガル風ランチが楽しめる。パテはふわっと柔らかいから塗りやすく、オイルなどの液体がにじみ出ることがないから扱いやすい。

 バカリャウのパテ缶はメーカーを問わず、内容量が75g程度のものが多い。1人で食べるには十分な量で、2人で食べるとちょっと物足りないという量だ。いずれにしろ一度で食べ切れる量なので、食べ残しの心配をしなくていいのが嬉しい。

缶詰バーで出てきたバカリャウのパテ缶

 リスボンには、缶詰をメインに提供する「缶詰バー」もしくは「缶詰カフェ」があちこちにある。トリップアドバイザーにも載らないような小さな店(例えば観光名所のサン・ジョルジェ城の近くとか)も多く、どこも外国人観光客で賑わっていた。これも同国が缶詰を観光資源として推している証しだと思う。

 上の画像はリスボンでもっとも有名な缶詰バー「Sole e Pesca(ソル・エ・ペスカ)」で撮ったもので、おつまみにバカリャウのパテ缶が出てきたところだ。皿に盛りつけ、香草(ディル)と刻みニンニク、黒コショウをかけただけだが、白ワインによく合った。つまり、バカリャウのパテ缶はパンにも合うし、単体ではおつまみにもなるわけ。

 もしポルトガルに出掛ける友人がいたら、お土産に買ってきてもらうことを強くおすすめしたい。

 

]