■一般消費者向けのツナマヨを初めて商品化

ダジャレが素敵なツナマヨ缶

 最後は、鯨大和煮缶詰でお馴染み、石巻の木の屋石巻水産が手がけた「ツナマヨ」という缶詰を紹介したい。

 品名が示す通り、なんとこれはあらかじめツナとマヨネーズを混ぜ合わせた缶詰なのだ。業務用のパウチなら見たことがあるけど、一般消費者向けのツナマヨが缶詰で商品化されたのは初めてじゃないだろうか。だって、こう言っちゃ何だけどツナマヨですよ。作ろうと思えば、家でも作れるじゃないですか。

 しかし、世の中にはツナマヨ作りが面倒だと感じる人も多いという。どこが面倒かというと

 

1:ツナ缶に含まれる汁や油を捨てないといけない

2:ツナとマヨネーズの比率を考えないといけない

3:油まみれになった調理器具を洗わないといけない

 

 うーん、言われてみれば確かに面倒くさいかも。そういう手間を、木の屋は省いてくれたわけだ。

 そして、木の屋といえば原料にとことんこだわることで知られている。このツナマヨ缶に使われている原料も、そんじょそこらのものではない。

■旨味が強く、ジューシーなマグロ尾肉を使用

こだわりの原料が組み合わされている

 まず、ツナの原料としてマグロの尾肉が使われている。尾っぽに近い部分の肉なので、常に動かしているから肉質がしっかりしており、旨味が強いのが特徴だ。それでいてコラーゲンが多く含まれているからジューシーさもある。肉の形状はフレークではなく、粗めにほぐした状態だ。

 マヨネーズは数社から複数の製品を仕入れ、尾肉との配合比率を変えて何通りか試作したそう。社内でテイスティングを行い、さらに一般消費者にも味見をしてもらい、最終的にバランスが最適なものを採用したというこだわりようだ。

■マグロの肉を噛んでいる実感あり

薬味にネギを加えた

 かくのごとし。

 ツナマヨに刻んだネギを加えて薬味とし、塩をまぶしたおむすびの具にして、海苔で巻いて缶成とした。

 このツナマヨは、マヨネーズよりもツナのほうが多く含まれている(重量比)。おまけに肉片のカットが大きいので、フレーク状のツナで作った通常のツナマヨよりも食べ応えがある。マグロの肉を噛んでいる実感があるのだ。

 マヨネーズは甘味が主体で、酸味はきつくない。それがマグロ尾肉の旨味と混ざり合い、トータルで力強い味になっている。一般的なツナマヨは、どちらかといえばあっさりした味だけど、木の屋のツナマヨはその真逆であります。

 さて、これから新米が出回る季節だ。米不足はいったん解消すると思うけど、来年も自然災害やパンデミックなどで需要が急増すれば、再び米不足になる恐れはある。

 冒頭でも書いたとおり、日本の米の消費量は毎年約10万トンずつ減っているから、農林水産省はそれに合わせて生産量を減らしている。つまり、非常時の余裕がないのであります。

 となると、お米大好き人間(ぼくのこと)が取るべき対抗措置はひとつ。米をもっと消費して、米の需要を増やし、農水省に「生産量を増やそう!」と思わせるのである。

 まっ、一個人の消費量なんて大したことないですがね。

 

●今回の缶詰情報

・伊藤食品「あいこちゃん ご飯にかける牛カルビそぼろカレー味 60g」

 

・ホーメル・フーズ・コーポレーション「スパムランチョンミート てりやき味 340g」

・木の屋石巻水産「ツナマヨ 130g」