■山小屋の敷地内でお花摘み?!

連休が終われば、一歩冬に近づく

 週末と連休が違うのは、翌日も同じくらいのお客さんがいらっしゃるので、もう一度このバタバタを繰り返すこと。

 早朝4時。起きてトイレに行くと、すでに長蛇の列。こんなに並んでいたら、「もう朝ごはん間に合いません! えぇーん」である。もう泣ける。

  そこらへんで済ませるか、恥ずかしいけど、「すみません、朝ごはん間に合いません」と割り込みをするか。私の選択肢は2つにひとつ。山小屋のスタッフが、小屋にいるのにお花摘み(山用語で「トイレに行くこと」です)に出かけるなんてちょっとね、私はちゃんと後者を選択しましたよ。

 北アルプスの紅葉で有名なあの小屋では、トイレに2時間並ぶとか並んだとかよく聞く。どこの小屋も同じような状況だったのかな。コロナ禍のいまとなっては、遠い昔のことのようにも思うし、懐かしささえある連休の山小屋の風景。

 初めての連休は、驚きと、怒涛の忙しさで気が付いたら終わっていた。連日祭りのようだったな。連休が過ぎれば、一気に静かな山に戻っていく。私はこの季節の山が冬支度を始めたかのような雰囲気がとても好きだった。

 今年はどんな秋がくるだろうか。山に行けなくても、あの秋色の景色を知っている。それだけで穏やかになれる気がする。