南アルプス南部もすっかり雪景色。凍てつく山の季節到来です。
先日、友人がテカリまで登ってきました。トイレの状況や、開放している避難小屋の様子も聞けて、小屋閉め後の小屋の様子が確認できてひとまず安心。行かれる方は冬装備必須です。気をつけていってらっしゃい!
■山小屋の人たちは、オフシーズンってなにをしているの?!
今まで出会った山の友人たちは、オフシーズンになって山を下りると、愛媛や和歌山のみかん農家へ収穫バイトに行っていた。南の島にサトウキビの収穫に行く、という人もいた。北海道で鮭を獲ったり、酒蔵で日本酒を仕込む人もいる。
「花ちゃんもみかんの仕事しない?」と、この前まで山小屋で一緒に働いていた友人が連絡をくれた。人を紹介する時って、私の大事な居場所に本当にこの人を紹介していいか、結構慎重になるもの。だから、友人の紹介できる人リストに入れたことが嬉しい。そんなことより、本当に人手が欲しいだけかもしれないけどね。
りんごに次いで私はみかんも好きな果物だから、「手が真っ黄色になるくらいみかん食べ放題だよ」なんて聞くと、羨ましい。けれど、私は実家のりんごの収穫時期とドンピシャでかぶるので、みかん農家には行ったことがない。南の人は穏やかそうだし、木になっているみかんを見てみたい気もする。
みかん収穫仕事の後、その友人は山小屋が始まる6月までインドで過ごしていた。インドから山小屋に、そしてまた旅に出る。彼女は「インドは故郷」とまじないのように言っていたっけ。同じようにオフをネパールで過ごしていた山仲間もいた。
そんな彼女らも、旅先で生涯を共にする伴侶と出会って、今は定住して生活を作っている。
全体を見ると、みかんからの海外組、みかんからのスノボ、スキー組が多かったように思う。「人生の夏休みだから」と仕事を退職し、期間を決めて山小屋に勤め、その後は市役所勤務に転身した友人もいた。
■山小屋を渡り歩いてきた私のオフシーズンの過ごし方は?
では、私の場合はどうだろう。
日本の山小屋には、通年営業の山小屋もあるけれど、多くの山小屋が夏から秋の終わりにかけて期間限定の営業をしている。自分の山小屋を始めるまで、長年、各地の山小屋バイトで生活してきた私のオフシーズンは、下山後すぐのりんごの仕事から始まる。りんごの収穫仕事がなくなる冬は、スキー場で働いたこともあったし、年末年始営業している山小屋で働いたり。冬から春まで高原ホテルに住み込みバイトをしたこともあった。まさに食い繋ぐ生活という感じ。
山小屋バイト時代は、その日暮らしの生活だった。貯金どころか、税金を納めて食うのに精一杯。それでも、私は山で暮らし、働きたかった。言ってしまえば、オフシーズンはなかったかもしれない。
ある年のこと。奥秩父にある金峰山小屋のご主人、吉木さんに初めてお会いした。来月から働ける人を探していると言う。