■残念ながら2021年は休業が決定しました

 まず、読者の皆さんに報告です。今年は休業することになりました。

 素泊りだけでもなんとか営業できる可能性を探していましたが、コロナのこと、他の南アルプス南部の山小屋がすべて休業すること、長野県側の林道の工事の進み具合、大まかに挙げると、これらが休業を決めた理由です。

今年は開けられないけれど……来年こそは!

 小屋開けを楽しみに登山を計画されていた皆さま、申し訳ありません。頭を切り替えて、1年間じっくりと準備していきますので、引き続きよろしくお願いします。たくさん考えて、悩んで決めたので、きっとこれから頑張れる、と前向きに捉えて前進していきたいと思います。

■はじめての静岡県庁訪問

雨の静岡市。都会過ぎて戸惑う

 休業決定に先駆けて、静岡市にある静岡県庁を訪れた。静岡県に行くときはいつも、川根本町や井川など奥の方にしか行かないので、静岡市はかなりにぎやかな都会で驚いた。街中なんて、一方通行も多くて山道を運転するより難しい。行くだけでドギマギ、ドキドキ。

 今回の目的は、休業中の小屋のメンテナンスや利用方法の確認など、担当の方と話し合うためである。川根本町には、ある撮影の歩荷隊として参加した時に知り合ったガイドさんが住んでいて、今回はその方と山岳会のRさん、そしてRさんの呼びかけで川根本町役場の担当の方も同席してくださった。

 こんなことは初めての経験だし、県庁に行ってちゃんと話せるかな……と不安だったわたしにとって、とても心強いメンツである。

県庁のお隣りの市役所は大正時代の建築物

 話し合いの中で、今年は昨年同様に光岳小屋は無人の避難小屋として開放することになった。テント場も開放する予定だ。この夏は、前任者の原田さんとの引き継ぎもあるし、無人小屋2年目の小屋のメンテナンス、トイレの管理などもある。営業はできなくてもやることは山積み。

 特に、越冬する度に小屋はだいぶダメージをくらう。街に比べると、小屋のある場所は積雪も多いし、雨風も強い。山小屋は毎年ちゃんと手を入れることが大切。これは、今までの山小屋勤務経験で学んだこと。