私の足のケガはさておき、シーズンも終盤を迎えて、光小屋は盛り上がっております。

 今年は小屋開け前に設置した鹿柵のおかげで、小屋周りでお花が楽しめる様子。今までは鹿に食いつかされて、ポツポツとしか咲いていなかった。本当はこんなにお花あったんだな、と驚いています。動けば、なにかが変わる!

 最近の山の気温は、朝は10℃、日中は18℃と過ごしやすそうです。日差しも少し柔らかくなってきたような。しかし、最近は「どっしゃー」と容赦なく降るいつもの雨が少ない様子。まだ静高平の湧き水はギリギリ出ていますが、このままでは枯れてしまうかも。小屋直下の水場は枯れることはないので、ご安心ください。

 さて、私の足は治ってきてはいるものの、平地をなんとか歩くのに必死。便利な町生活のはずなのに、不便な生活を送っています。

初の著書は、おかげさまで3刷が決まりました。重版出来!
小宮山さん初の著書「私、山小屋はじめます」

■いざ、聖光小屋から登山道整備へ!

光小屋からの朝日。秋っぽい空になってきた

 シーズンイン直前、遠山山の会の皆さんと芝沢ゲートから西沢渡(ニシザワド)の登山道整備へ出かけました。

 例年、すでに光小屋のスタッフは入山し、私は川根本町で荷造りをしている時期なので、私たちは参加できていませんでした。しかし、今年は小宮山が負傷のため光小屋の小屋開け日程をずらすことになり、お陰でやっと初参加が叶ったのです。怪我を讃えるのはおかしいけれど、怪我をしていいこともあるもんだ。

 小屋開け前に車中泊で体調を崩してはいけないと、前泊は飯田のゲストハウスに宿泊しました。最近は、外に出て人に会ったり、見たり、泊まったり、食べたり。そんな体験をすることが面白い。ちょっと出かけるのに億劫な気持ちでいても、えいやっと外に出てみると、アイデアや考え、世の中のいろんな仕組みが刺激になる。「うちの小屋でも、こうしたらいいかも」なんて、ずっとヒントを集めている感じ。

 築200年の町屋をリノベーションしたというゲストハウスの空間は、“古いからしょうがない”という部分がない。古いことも生かされ、なお過ごしやすい空間にしっかりなっている。

 丁寧にお話をする女性スタッフが迎えてくれた。初めは特に当たり障りのない話をしていたが、彼女が遠山郷に住んでいると聞いて、急に親近感が湧いてきた。さらに、中学生の時に光岳に登ったというのだ。唯一登った百名山が光岳。珍しい人もいるもんだ。