南アルプスの光岳小屋は、9月23日の宿泊をもって今シーズンの営業を終了しました。営業終了後の約1か月間のメンテナンス工事もなんとかかんとか終わり、例年より一足早く小屋仕舞いです。

 静岡県営の山小屋は、6、7年に1回のペースで修復のための工事を行います。この秋は悩ましいお天気が続きましたが、痛んだ箇所をメンテナンスしていただきました。南アルプスは気候や地質の影響で2,700m程度まで森林に覆われています。光岳小屋の周辺には、シラビソやダケカンバの木々が茂っており、稜線上に建つ山小屋っぽさはありません。しかし、山ならではの厳しい雨風や積雪であちこちにガタがきています。

 山の仕事はお天気を相手にしているようなものだな、と改めて感じたこの1か月。天候不順でなかなか進まなかった工事は、職人さんたちのおかげさまで、安全にケガなく終えられました。

■3年目もありがとう!

9月はスタッフ3人でお出迎え

 今シーズンも温かいお見守り&お越しいただいたみなさん、ありがとうございました。

 お疲れ顔で到着したお客さんが、翌日いい顔をして帰っていく。そんな姿を見るのが嬉しかった。営業を始めて3年間で、徐々に山小屋が整ってきて、寛ぐみなさんを見て「ぐふふ」と嬉しい気持ちになっています。

 この3年間は、良いことも、大変だったこともあったけれど、できるだけ良いことに目を向けて、これからも小屋の運営を続けていきたい。どこにいても、そんな風に生きていきたいなあ。大袈裟かしら。

 でも、これが結構難しいんですよね。

■今シーズン初の試みは、イワシ(雑魚寝)プランを作ったこと!

雑魚寝スペースはこんな感じ!

 「定員が少なくて予約が取りにくい」

 「雑魚寝でもどこでもよいから泊まりたい」

 「とにかく、安く泊まりたい!」

 そんなご意見をいただき、今年は思い切って雑魚寝スペース「イワシプラン」を新設してみました。食事も自炊していただく自己完結型のプランで、その分、料金を少しお安く設定できます。

 しかし、蓋を開けてみれば、積極的にイワシになりたがるお客さんは少なく、折角だからベッドで休みたいけれど、空きがないならでしょうがなくイワシ、という方がほとんどでした。とはいえ、休日を中心に利用してくれる方も多く、例年よりも賑やかさが増した夏となりました。